恐怖の泉

人間の怖い話「エースからのアプローチ」

私は会社の同僚から何度も告白された経験があるのですが、これはその時の話です。

その同僚は私より3つ年上の方で、会社内でもエースと言われて出世を期待されていました。
ですが私はどうも好意を持てないと言いますか、言葉ではうまく表現できない嫌な感じがしていたのです。
それでも彼は一生懸命アプローチをしてきます。

職場の仲間からは
「あんな良い人、他にいないって。顔もいいし、将来有望だし。もったいないよ。」
と言われます。
確かに私の彼に対する評価も同じでした…告白される前までは。

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告白された時、どこか一方的な印象がありました。
約束もしていないのに待ち伏せされたり、教えてもいない私の連絡先へ親しみを込めた連絡をいれてきたり。
アピールされればされるほど、私は気持ちが冷めていきます。
でもこれを相談しても、周りからは
「それだけ愛されているんだよ。」
としか言ってもらえません。
それだけ彼は職場では絶大な支持をされているのです。

人が良くて、仕事ができる。
だから私がどれだけ言っても周りの人は悪く思わず、むしろ私が非難されるのです。

私は適当に断り続けていたのですが、ある時から社内で「私が過去に不倫をしている」という噂が広まりました。
もちろん、私は不倫などしたことがありません。
誰かが嘘を振りまいた事で友達にまで疑われて、同僚から距離を置かれるようになりました。

それでも相変わらず彼は私へアプローチをしてきます。
すると
「あんな女でも好きって言ってくれているのに、何で応えてあげられないんだろう?本当に最低な女だよね。」
という感じで、私は更に周りの女子達を敵に回してしまいました。
ですがきっと、彼と付き合っても幸せになれない。私は自分の勘を信じて曲げませんでした。

そんな時、私が住むマンションの隣の部屋へ誰かが引っ越してきました。
そこに居たのは、なんと交際を迫る彼だったのです。

「俺は○○の事信じているから、ここにいて助けてあげるよ。」
頼んでもいないのに一方的にやってあげている、その様子に背筋が寒くなります。
それから彼は毎日私の家の前で待ち伏せするようになりました。

会社では私の立場も無いですし、付き合ってもらえない彼が可哀想という声しかありません。
女子社員からも嫌がらせを受けるようになり、その度彼が守ってくれるのですが、そうすればする程に彼の評判が良くなり、私が悪くなるのです。
痺れを切らした私は思い切って
「私は大丈夫だから、もう本当に止めて。」
と彼に告げると、彼から驚きの言葉が出てきます。

「俺を断ったらどうなるか分かっているよな?また新しい噂を広めようか?」
薄々感じてはいましたが、やはり噂を流したのは彼だったのです。
私は
「あなたのした事を皆に言うから。」
と反撃するものの、彼は
「誰が君の言うことなんて信じると思う?実は俺は来月から、チームリーダーになることになったんだ。それも会社にとって大切な役だ。
もし、会社が切るとしたら…僕か君か言わなくても分かるよな!」
私は何も言えなくなりました。

そして私は無理やり彼の部屋に引きずり込まれ、襲われました。
なんとか未遂で逃げ切る事が出来ましたが、もうここにはいられません。
私はその後すぐ会社を辞めて引越し、今は平和に過ごしています。

この話には後日談があります。
仕事を変えてから、偶然に辞めた会社の同僚男性社員と遭遇しました。
気づいた私が逃げようとしたら
「待って。君あの○○に嫌がらせ行為をされていたんだろ?」
と引き止められます。
「何で知っているの?」
と聞くと
「俺、あいつの元彼女と知り合いなんだ。」
と言います。

話を聞くと、彼は元彼女が自分の思い通りにならない事に立腹し、かなり酷い仕打ちを行ったそうです。
見かねた同僚がなんとか止めましたが、ひょっとしたら殺人にまで発展しそうな深刻さだったのだとか。

「俺はずっと、あいつが犯人だって分かってた。だけどあいつは会社での評判が良くて周りから認められているから、言えなかったんだ。ごめん。」

改めて彼から離れられて良かったと思うと同時に、もし私が心折れて付き合っていたらと思うと…ゾッとせずにはいられませんでした。

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