実話系・怖い話「ホームスティで見た幽霊」
これは私がオーストラリアでホームスティをしていた時の話です。
私が20代の時、オーストラリアのパースという所で1ヶ月、語学学校に通いながらホームスティをすることとなりました。
私がホームスティした先は、一人暮らしのおばさんの家でした。
私は常日頃から不思議な体験をすることがあり、実家で大学受験のため夜中2時まで勉強していると家の階段をコツコツ上がってくる音を聞いたり、お風呂に入った後髪の毛を乾かしている際、誰かに肩を叩かれたりする事がありました。
そのため夜寝る時は、蛍光灯などの灯りを1つ必ずつけて寝ていました。
勿論オーストラリアのホームスティでもそうしたかったのですが、そのおばさんはクリスチャンで一戸建ての一軒家。
日本みたいな蛍光灯が無く、寝る際は真っ暗になってしまう作りでした。
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正直怖かったのですが、勝手に電気をつけて寝るとホームスティ先のおばさんにも怒られるので、仕方なく真っ暗にして寝ることにしました。
真っ暗にして寝ようとした初日、何だか寝苦しくて何度も目が覚めます。
何度目に起きた時かは覚えていないのですが、起きた瞬間何かが部屋にいる気配を感じました。
何だろうと思い、確認のためデスクにある電気スタンドをつけるため体を起こします。
真っ暗な中、手探りで何とか探して「よかった、助かった…」と思い、電気スタンドのボタンを押そうとタッチした瞬間、冷たい手のようなものが私の手の上に重なりました。
誰もいないはずの部屋、更には暗闇の中です。
その何者かは電気をつけるのを拒んでいるのか、その瞬間に金縛りにあって私の体が動かなくなりました。
すると私の隣に、白く半透明に透けて見える幽霊が現れたのです。
背の高い白人?で、40~50代くらいの女性でした。
彼女は暗闇の部屋の中を踊るようにゆっくり笑顔で周りだしました。
私はその間全く動けず、電気スタンドに手をのせたままその光景を見ていました。
女性の幽霊は、そんな私を見て笑顔で部屋の中をゆらゆら動いています。
私はこれが初めて見る幽霊で、海外だったこともあってか怖いというよりも不思議な感覚でした。
その幽霊は数分位私の暗闇の部屋を周った後、部屋の隅で私の方を見て立ち止まりました。
相変わらず金縛りで動くことが出来ない私を、その幽霊は楽しそうに見てきます。
そしてニコッと笑った次の瞬間、私にめがけて部屋の隅から突進してきました。
私はびっくりして目を閉じたかったのですがそんなことも出来ず、彼女の顔を間近で見てしまいました。
ぶつかってこられた瞬間、何が起こったのか全く分からなかったのですが、やっと金縛りが解けました。
急いで電気スタンドの電気をつけてみると、その幽霊はもうどこにもいませんでした。
その日はもう寝れず、部屋の電気をつけっぱなしにしてベットに横になっていました。
次の日ホームステイ先のおばさんにつたない英語で、昨日幽霊が出て私が電気をつけようとした際、電気をつけさせてくれなくて、そんな私にぶつかって来たことを告げました。
私の話を聞いたおばさんは、小さなイエスキリスト像を私に手渡し、必ずそれを持って寝るように言ってきました。
その人形をベットの横に置いた効果かは分かりませんが、その幽霊は私の部屋に姿を現さなくなりました。
思い返すと本当に怖い出来事でしたが、あの幽霊は私に何がしたかったのでしょうか。日本人の私がただ珍しかったから現れたのでしょうか。
今でも分かりません。
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