恐怖の泉

実話系・怖い話「心霊スポットへ行った後」

これは高校を卒業して県外へ就職した私が、お盆休みで実家に帰った時の出来事です。

実家でのんびりと過ごしていたら、昔仲良くしていた友達から連絡があって「これから遊ばない?」と誘いを受けました。
せっかくなので会う約束をして、車で迎えに来てもらうことになりました。
同級生はみな社会人です。車の免許を取得し初給料で車をローン購入している人も少なくありません。
私の友達も同じで、新車のワンボックスカーを購入していました。

「久しぶり!てか車買ったんだ?」
「おー、久しぶり!そうだよ、車買った。かなり気に入ってるんだよね。」
「なんかそんな感じがする。お前車好きだったもんな。」

そんな会話をしながら当てもなく車を走らせていきました。

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せっかくだから他に誰か呼ばないということになり、当時仲の良かった友達に連絡をしました。
連絡が繋がらなかった友達もいたけど、それでも4人集まりました。

昔話で盛り上がり、やはり当てもなく車を走らせる。
途中でコンビニに寄り飲み物を買った時に、友達の1人が売っていた花火に目をやり
「おい!花火しないか?」
と提案しました。
花火なんてずいぶんやっていないなと、これまた盛り上がり、花火をすることに。
場所をどこにするかで迷っていたら、携帯へ連絡がつかなかったもう1人の友達から電話が来ました。

「まだ集まってるの?」
「うん、これから花火するんだ!お前も来いよ!」
「どこで花火するの?」
「まだ決めていないんだ。」
「ならさ、裏山の川のところがいいんじゃない?」
「おーそうだね。そこにしよう。迎えに行こうか?」
「いや、車でそっちに向かうよ。」
「なんだよ、お前も車買ったんだー。じゃー川で待ってるね。」
「あ、もしかしたらだけど、用事でいけなかったらごめんね。」
「わかったー待ってるわー!」

そんなような会話をして電話を切り、目的地の裏山の川へ向かいました。
目的地に着いたところで、さっき連絡をくれた友人が到着するのを待っていると、仲間の1人が言いました。

「そいやさ、この先にトンネルあるじゃん。そこで昔練炭自殺あったの知ってる?」
「いやいや、知らないよね。てかやめろよそんな話するの。怖くなってきたじゃん。」
「えー結構有名な心霊スポットだから知ってると思ってた。」
「いやいやいや。知らないから。」
「練炭自殺は何十年も前の話なんだけど、その話が有名過ぎて毎年肝試しに行く人がいるんだって。」
「…。」
「トンネルの中で、ライト消して、外に出る。そうすると悪寒がするんだって。」
「やば。」
「で、怖くなって帰るじゃん。そうすると1週間以内に車が事故に遭うんだって。中にはそれで亡くなっちゃった人もいるみたい。」

こんな話をしているうちに、車のヘッドライトが見えました。
「おまたせー!みんな久しびりだな!さあ花火しようぜ!」
いままで怖い雰囲気を払拭するかのように、久しぶりの再会でテンションが上がった友人と合流しました。
それからはしばらく全員で、花火をして楽しみました。

花火も終わってその帰り道。
「行ってみない?トンネル。」
絶対に行きたくない私をよそに、花火の余韻からか全員乗り気です。
結局そのトンネルに車2台で行くこととなりました。

トンネルに到着すると、車のライトを消して友人達は外へ出ました。
「うおー真っ暗!めっちゃ暗くてなんも見えねー。」
怖さを紛らわしているのか、大きな声で叫んでいました。
トンネルの中なので、反響する声が余計に気味悪く響き渡ります。
私は車内で1人、よくそんな怖いことができるなと、車の中で奮えていました。

「結局、なんにも感じなかったな。」
「そうだね。」
そんなことを言いながら、私達は帰路につきました。
無事に帰宅し、何事もなく友人たちと別れて私のお盆休みはおわりました…その日は。

盆休みも終わって職場で仕事をこなし、1週間が経ったくらいの時でしょうか。親から連絡がありました。
内容は
「私の友人が事故に遭って車が大破したってよ。」
ということと、もう1つは
「同じく友達の車が事故に遭った。運転中にトラックがぶつかってきて大破、○○ちゃん亡くなったよ。」
と報告されました。

たまたまなのかもしれないですけど、トンネルにいったあの2台の車は、友人が言ったように事故に遭いました。
肝試しが関係してるとは到底思えず信じられないですが、本当にあった話です。

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