恐怖の泉

人間の怖い話「暴走族のお兄さん」

ある夏の夜遅くに、友人と一緒にコンビニへ行きました。
その日は友人宅へお泊りをしたのですが、小腹が減ったので店内にあるイートインスペースで軽く食べながらお茶をしようという事になりました。
そのコンビニは友人宅からすぐ近所(歩いて3分くらい)にあるので、私と友人はスエット上下の超ラフなスタイルで行きました。

メイクはフルメイクをしたまま落としていないので、バッチリメイクのスエット上下でヤンキーチックなスタイルになっていました。
私と友人は特にヤンキーではありませんが、良い子ではないことは間違いなく、ちょっと軽めの遊び人という風に周りからは見えるんだと思います。
また仕事が私も友人も美容関係なので、特に派手な印象に見えるかもしれません。

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コンビニが大通りに面しているので、イートインから道路を見ていると数台の暴走族が通りかかりました。
爆音を響かせてやってきたので、こちらも中からつい身を乗り出して見てしまい、暴走族のお兄さんたちはその事に気がついたのだと思います。
一度爆音で通り過ぎた後、またのらりくらりとやってきました。

今度は明らかにこちらを意識して、私達を挑発するようなポーズもとってきました。
友人と私もちょっと調子にのって手を振り返したりしました。
3回くらい暴走族がUターンしてコンビニ前で爆音を響かせたあとに、どこかへ行ってしまったので「面白かったね~」なんて話をしてました。

小腹も満たされたので、じゃあそろそろ帰ろうかと席を立ち、明日の分のドリンクやパンを買っていると、コンビニ内に男性が入ってくる気配を感じました。
ちらっと見ると、先ほどの暴走族のお兄さんが2人いました。
私達が動揺していると、2人は声をかけてきました。

どうやらお兄さんたちは、私達が気になったので戻ってきたとのことでした。
またイートインへ戻って少し話をしてみると、なんか楽しいし暴走族の知り合いなんていないから、この際友達になるものいいかな~と思いました。

「こらから車でドライブにいかない?」

まんま誘いに乗った私たちは、誰が見ても族車と分かるような車で出発しました。

地元を流すよりもどこか遠くへ行こうと言われまして、都内から湘南方面へ向かいました。
ドライブは意外と楽しくて盛り上がりました。
特にその時は男女関係になることもなく、意外と紳士的な2人でした。
湘南のファミレスでお茶をして、明け方の海を見てまた都内に戻った頃にはすっかり通勤時間帯となってまして、私と友人は別れた後そのまま仕事へ向かいました。

彼らとはメルアドや番号を交換したので、仕事終わりにお礼と楽しかったことを伝えるメールを打ちました。
返信はすぐにきたのですが…明らかに変なのです。私のことを認識していないと言いますか…。
友人も連絡をしたはずだと思い、聞いてみると友人がメールをした彼からは返信が来なかったそうです。

そして私の携帯へ、立て続けにメールが入ってきます。
「ぼけ」
「かす」
「てめ~誰だよ」
そんな内容のものでした。

そして暴走族の彼から電話がかかってきたので、どういうことか確認しようと電話に出ると…大激怒している様子の女性が大声で叫んでいました。
興奮しているので何を言っているのか不明でしたが、途中でやっとあの暴走族のお兄さんが替わりました。

どうやら、彼女に先日のドライブがバレて大激怒されているとの事でした。
私とお兄さんが話している最中も、後ろで
「テメェ今からヤりにいく!出て来い!」
と怒声が続いていました。
当然ながら、私は今まで感じた事のないような恐怖感に襲われました。

それから数日間は気持ち的にも何だかすごく怖くてドキドキで、外へ出るのもためらいました。
思いきって携帯を変えたので、その後怖い彼女からの連絡はありませんでしたが…2度と興味本位で暴走族のお兄さんと絡むのはやめようと思った出来事です。

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