恐怖の泉

学校の怪談「トイレの花子さん」

「も~すっかり遅くなっちゃったよ~」

小学校高学年のEちゃんは、所属している委員会の活動で遅くなり、教室へ戻った頃にはすっかり陽が暮れていた。
教室にはEちゃんただ一人。普段は賑やかな学校も、不気味な雰囲気が漂い始めている。
急いで帰ろうと思ったEちゃんだが、ここにきてトイレへ行きたい衝動が抑えきれなくなってきた。このままでは走って自宅に帰っても間に合いそうにない。

「ヤバい…どうしよう…」

Eちゃんがトイレへ行くのをためらうには理由があった。
それは、学校のトイレには「花子さん」という、おかっぱ頭で白い服・赤いスカートを着た幽霊が出るというという噂が流行っていたからだ。

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しかし今はそれどころではない。我慢に限界が近づいている。
意を決して、Eちゃんは教室から最も近い3階の女子トイレへと駆け寄った。

トイレのドアを開けると、3つの個室が空いていた。Eちゃんは急いで手前の所に入り、ホッと一息をつく。
そそくさと用を済ませて手を洗いながらふと鏡を見てみると、Eちゃんはある異変に気づいた。

「誰か入ってきてたかな…?」

さっきトイレに入った時は空いていたはずなのに、いつの間にか一番奥、3番目のトイレのドアが閉まっている。
全く音はしなかった。しかしトイレのドアには鍵がかかって閉まっている。
もしかして一緒に委員会へ出席していた、隣のクラスのKさんかな?と思ったEちゃんは、ドアをノックすると

「コンコンッ」

返事が返ってきた。どうやら人が入っているらしい。
人がいることに安心したEちゃんは、ホッとして声をかけてみた。

「Kさんだよね?一緒に帰ろうよ。」
「…」

返事がない。Kさんじゃないのかな?と気まずくなったEちゃんは、トイレから出ようと出入り口の扉に手をかけた。

「あれ?開かない!」

いつもは引っ張れば開くはずなのに、押しても引いてもドアが開かない。
突然の異常にEさんは、奥のトイレに入ってるのは花子さんなんじゃないかと思い始める。まさか…。
Eさんは恐る恐る尋ねてみた。
「ひょっとして…花子さんですか…?」
すると

ドンドンドンドン…!!

ものスゴい勢いでドアが叩かれ続け、止む気配がない。
恐怖でパニックとなったEさんは、叫びながらトイレから出ようとするも扉はビクともしなかった。

「お願い出してぇぇ~~!!」

Eさんはトイレの入り口で泣き崩れた。
するとドアを叩く音がピタリと止み、鍵がかかっていた個室のドアが開いた。
トイレの中には…おかっぱ頭で白い服・赤いスカートを身にまとった影が浮かんでいた。

女子トイレに出た花子さんの幽霊。

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