恐怖の泉

人間の怖い話「Aさんの呪い」

学生時代にあった、漫画のようで本当の話です。
私の仲良しのグループに、ちょっと変わった人がいました。
Aさんは、絵を描くのが好きな人でそれはいいのですが、ストレスが溜まると人間がロープで吊られている絵とか、手首とかだけで血が流れている絵とかを楽しんで書いているのです。
なんか妙に怖い人だな…と思いましたが、普段は可愛い感じでニコニコしていて人当たりが良く、いい子って感じの人なので、ま~こういう一面も人間だからあるよな、くらい思ってました。

ところがある日、そのAさんとちょっとした誤解で仲たがいをするようになりました。
私も誤解を受けた一人でしたが、もう一人の友達のほうが激しく喧嘩をしてしまったのです。
そしてその日から事が始まったのです。

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私が翌日の朝起きてみると、喉の調子がどうもよくないのです。
朝食を取ろうとすると、まるで喉に大きな魚の骨のようなものが突き刺さっている。そんな感触を受けました。

なんだろう、別に風邪を引いているわけでもないし。
変だな…と思いながらも、食事が喉を通らなくてそのまま学校に行きました。

登校する途中で、もう一人の喧嘩した友達に会ったのですが、大変しんどそうな雰囲気でいるのです。
どうしたんだと聞いたところ、昨日一晩中せきが出て眠れなかったとのこと。
風邪でも引いたのか?っと聞いたのですが、イヤそうじゃないというのです。

教室に着いてみると、喧嘩した相手のAさんが席に座っていたのですが、目の下が真っ黒になってクマが出来ていました。
一体どうしたんだろうと思って見ていると、彼女が近づいてきて

「私、昨日あなたたち二人のわら人形作って庭の木に釘さしてきた」

と無表情で目の焦点も合っていないような状態で言ってきました。
私達は言う言葉なく青ざめて、その場を逃げるように立ち去りました。

改めて私たち二人に起きた不思議な出来事を思い出してみると、お互いに喉の不調を訴えています。原因はわかりません。
でも「わら人形なんて…」と思い馬鹿にしていましたが、もしかしたら本当に効果があって私たちの身に異変が起きているのでは…と思うとなんだかゾッとしました。

幸い私の異変は数日でなくなったのですが、恨みを深くかっていた友達の方は、原因不明の咳で大分長いこと悩まされてました。
その後まもなく卒業となる予定だったので、静かに時を過ごしましたが…Aさんとは二度と会おうとは思えないですし、もう関わりたくないなというのが正直なところです。

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