恐怖の泉

実話系・怖い話「虫取りを止めた出来事」

小学生のころ、だれでも経験があると思いますが虫取りが流行っていて、おもちゃのように遊んでいました。
最初はセミやトンボなどをとっていましたが、だんだん飽きてきてカマキリの卵を育てようと思うようになり、見つけてきては庭の片隅に枝ごとさして観察していました。

そのうち中から小さい幼虫がうじゃうじゃでてくるようになりました。成虫と同じ姿をしたものが何百もです。
それを見てさすがに恐ろしくなりもう虫取りは止めようと思ったのですが、その時机の中にも卵を保管していたことを思い出しました。
急いで部屋へ戻り引出しを開けてみると、そこには卵から孵化したカマキリがうじゃうじゃ…。

もう私の手に負えなくなったので親に言ったところ、すごく怒られました。
特に母親が大の虫嫌いで大変でしたが、なんとか大掃除をして始末することができました。

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そしてその日の夜、何やらガサゴソ音がするので起きようとすると、眼があけられません。体を起こそうとしても起きれません。
これはヤバい!と思っていると「ヒヒヒ」という笑い声がしました。
誰かがいる!と思って震えていると、目が開けられるようになり見てみると…。

部屋には斧を持った老婆が空中をただよっていました。
昼間のできごとがあったので、これはカマキリの親が仕返しにきたのかと思って逃げようとしても、眼以外は全く動かず声もだせません。

どうすることも出来ずに漂う老婆を見ていると、その老婆の姿がフッと消えてやっと声がでるようになりました。
すぐ親を呼んで部屋の電気をつけてもらいましたが、このときも体が膠着していたのでゆすってもらい、やっと起き上がることができました。

当時は金縛りのことを知りませんでしたので、本当にカマキリが復讐にきたものと思い冷や汗ものでした。
そしてそれからは、むやみやたらに虫を殺すことはやめました。

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