恐怖の泉

後味の良い怖い話「遊んでくれた女性」

僕が小学校低学年の頃、両親が離婚して一人っ子の僕は母について行きました。

離婚と同時に引越し、新しい学校では友達が出来ず、放課後家に帰っても母は仕事に出ているので、一人でテレビを見ることが多くなってました。
引っ越して、半年たった頃唯一の家族の母が亡くなりました。
母の病気が原因で、父は離婚して私は捨てられたようです。

暫くは、近所の同級生の家にいましたが二ヶ月くらいして母の妹の叔母さんの家に引き取られました。
当然友達も出来ず、叔母さんはいい人なのですが気後れして打ち解けられず・・・

記憶があいまいですが、3ヶ月くらいしてから新しい友達が出来ました。
何処で会ったのか、どうやって知り合ったのか、何処に住んでいるのか覚えてませんが、やさしいお姉さんでした。
友達のいない僕を連れて近くの広場に行って、周りで遊んでいる友達を集めて僕を含めた遊びを提案してくれたり、僕も家に帰ってその事をおばさんに話したり。
だんだん、周りが明るくなってきました。

僕はもう直ぐ結婚します、そこでその話をしようと思い、当時の友達に聞いても
「そんな事有った?」
と言われ、叔母さんにも
「そんな話だっけ?」
と言われました。

子供だったので、寂しさのあまり勝手に作り出したのかもしれませんが、叔母さんは

「きっとあなたのお母さんだよ、最後までとても心配してたから」

と言ってくれました。

結婚して、子供が出来たら、大好きで心配性だったお母さんの話を聞かせてあげたいです。

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