恐怖の泉

学校の怖い話「小学校のトイレ」

あれは小学校4年生のころだったかな。学校のトイレで体験したちょっと怖い話。

その日は、台風が近づいていて大雨で警報がでたため、学校が途中で中止になり下校命令が出ていました。
みんな帰り支度をしている中、私はふとトイレに行きたくなってしまいまして、一人で学校の一階にあるトイレに行ったんです。

そこのトイレは特にこれといった噂もなく、普通のトイレだったんですが、台風のせいかいつもより薄暗く少し肌寒い気がしました。

「早く用を済ませて帰り支度しなくちゃ」

そう思って小便器の前に立っていたのですが、ザーーっと横の個室から水を流す音が聞こえてきたんです。

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その時は「あ、誰か入っているのかな?」くらいにしか思わなかったんですが、どうも何かがおかしい。

鳴りやまないんです。ザーーっと水を流す音が。

そのころにはさすがに用も足し終わっていて、恐怖心もすごくあったんですけど好奇心が勝っちゃったみたいで、その例の音がする個室の前に立ってドアを開けようと手を伸ばしたんです。

「バンッ」
勢いよくドアが開きました。
私はまだドアに手をかけていません。
中をのぞくと、水だけが勢いよく流れていました。

もうこの時点で今すぐ逃げ出したかったんですが、なぜか足が動かない。
すると後ろで気配がしました。
首だけを後ろに向かせると、びしょびしょに濡れた男の子がうつむいて立っていました。
この子の顔を見ちゃいけないと、なぜか直感で思いましたね。

足も動くようになっていたので、ゆっくりと顔を上げていっている男の子を尻目に、一目散に教室に逃げ帰りました。

結局みんなに話しましたが誰にも信じてもらえず、もどかしい気持ちでいっぱいだったのですが、あれ以来、そこのトイレは一人では行けなくなってしまいました。
あの時、男の子の顔を見てしまっていたらどうなっていたのだろう…と今になっては思います。

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