恐怖の泉

実話系・怖い話「いじめをしていたら」

これは私が実際に体験した話です。
小学5年生の時、クラスで一番嫌われているAという子がいました。
私は当時Aのことをさほど嫌いでもなく、逆に何でみんなハブったりするんだろうと思って日々仲良くしていました。

しかし・・・ある日からAが私の友達に対して
「あんな奴らと仲良くしないでよ!」「あんな奴ら死ねばいいのに!」
と暴言を吐くようになってからは、私もAのことを少し敬遠するようになり、一緒に遊ぶことも学校で一緒にいる事もなくなってきました。
むしろ、Aを一緒にいじめる側にまで回ってしまいました。

いじめるといっても暴力はしませんでしたが、挨拶をされても無視したり、私の友達につっかかっているAを見ると「私の友達に触るんじゃねぇよ!汚い!」と少し暴言めいたことを吐いたりもしました。

スポンサーリンク

小6になってもそれが続き、むしろ悪化したまま卒業式を迎え、Aは結局1人のままでした。
そこで友達同士のノリもあり、卒業式に私と友人でAの目の前に行き「卒業式ぐらいアンタの写真撮ってやるから感謝しろよ~!」と私のインスタントカメラでAの写真を撮りました。

・・・その時はその写真をめぐってあんな事になるなんて思いもよりませんでした。

中学校に入り、ちょうど卒業式の写真も現像できた時でした。
私は一通り友達の写真だけを抜き取り、Aの写真を撮ったことなどすっかり忘れていました。残った写真は親に渡して適当にアルバムに入れてもらえればそれでいいやと思ったからです。
しかし・・・母がAの写真を見るやいなや
「ねぇ・・・あんたこの写真見て気が付かないの・・・?」
と私に恐る恐る聞いてきたのです。

「なんで?ああAの写真か~別にいらない。」
と笑いながらその写真を一応見ると、Aの左上には青白い男の人の顔が写っていたのです。
その時、ふとAの父が過去に急性アルコール中毒で亡くなっていたことを思い出しました。悪寒がしました・・・。
母に恐る恐る聞き返してみました。母はAの父と同級生だったからです。

「この顔さ・・・まさかAのお父さんに似てるなんて言わないよね?」
母は言いました。
「そのまさかだよ。怖がらせるとかなしに、似てるね。鼻筋の高い所とか、細い目とか、薄い唇とか・・・。」

それを聞いてしまった夜は私は怖くて眠れませんでした。
そして何故かわからないけれど物凄い罪悪感に駆られてしまい、すぐさまAの所へいって「今までごめん!周りと一緒にあんなことしたりして、本当にごめん。」と謝罪をしました。
Aは笑って「いいんだよ。よく考えたらあたしも悪かったよね。もうお互い忘れよう。」と言ってくれましたが、私が謝った翌日からAは何故か学校にも来なくなってしまいました・・・。

Aが来なくなってからは私を含め、私の友人達も次々に風邪をひいて学校を休む日が続きました。
それ以降Aとは会っていません。引っ越したり転校したりのうわさも何故か何もありませんでした。

周りと一緒になってAをいじめてしまったこと、悪ふざけであんなことをしてしまったこと、今思い出しても自分はバカだなと思います。
もし、本当にあの写真に写っているのがAの父親ならば、私はAの父親にも全力で謝りたいです。
誰かをいじめている人がもしいるのなら、今すぐにやめたほうが良いですよ・・・。

スポンサーリンク

TOP