恐怖の泉

実話系・怖い話「夫の霊感」

結婚して15年が経ちますが、夫はいわゆる「見える」人です。
私には霊感が全くありませんが、夫の体験談を話させて頂こうと思います。

これは東京から夫の実家へ帰省した時の事です。
久々の帰省で盛り上がっていた私達は、車内で大音量の音楽をかけて大声で熱唱していました。
外は小雨で時刻は23時過ぎ。
夫の故郷は新しい道路の開発ラッシュで、まだ綺麗なアスファルトを走行していました。

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「えっ?!」

運転している夫が突然、声を上げました。
今まで涼しい顔して運転していた夫でしたが、それが両手でハンドルを握りしめ、青ざめた表情になっています。

「なに!?」
私すぐさま尋ねます。
車の外は真っ暗。走行している車も私達しかいません。
新しくできた道路のためコンビニもお店も一軒もなし。
私が異変に気付かない、ということは…。
嫌な予感がしてきます。

夫は前を向いたまま、私に質問を返してきました。
「今、女の子いたよね?」

夫曰く、先ほど通り過ぎた横断歩道の所に、ランドセルを背負った女の子がいたのだそうです。
時刻は23時過ぎ。そんな時間に子供1人が居る状況は普通ではありません。
しかしこのご時世、もし何か事情があるならば救わなければならないのではと思った私達は、引き返す事にしたのです。

真っ暗の道を戻るも、人の気配など微塵もありません。
もし女の子がいたら、なんて声をかけよう。
あれこれ考えている間に、横断歩道が近づいてきます。
ですが辺りを見渡しても、そこに女の子の姿などありません。

代わりに、道路の片隅に黄色の可愛い花がポツンと置いてありました。
まだ新しく、誰かが最近になってお供えした物のようです。
その様子から察して、私達は胸が締め付けられるような悲しみを感じずにはいられませんでした。

夫から聞いた話でもう一つ、私が一番背筋の凍ったエピソードがあります。

それは夫が高校生の時。
友達と公園で遊んでいると、小高い丘の上でスーツ姿の男性が「おいでおいで」と手招きをしていたそうです。
地元ですから周辺の地理は知り尽くしており、その先には崖しかないはず。
おかしいな、と思いながら友達と丘を登って周辺を探してみると…。
そこで見つけたのは、首を吊った亡骸だったそうです。

大騒ぎで警察に連絡を入れ、もう年頃の高校生だった夫ですが、恐怖のあまりしばらくは親と一緒じゃなきゃ眠れなかったと言っていました。

霊感も無く怖い話が苦手な私からすると、自分には霊感が無くて本当に良かったと、心底から思います。

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