恐怖の泉

実話系・怖い話「道路の落書き」

これは忘れもしない、私が小学校5年生の時に体験した話です。

私の家は学区領域のギリギリにありました。
そのため通学の距離が他人より長く、途中で友達と合流は出来ますが、それまでは1人で通学せねばなりませんでした。
小さい頃はその1人道を両親やらおじいちゃん、おばあちゃんが付き添ってくれましたが、高学年にもなって一緒に行って欲しいとお願いするのは恥ずかしく、1人で家を出ます。

そんな私は、その1人道にショートカットがあることに気づきました。
決められた道ではありませんでしたが、途中の雑木林に囲まれた道路を突っ切ると、数分だけ早く学校に近づく事が出来るのです。
雑木林の道は昼間でも薄暗くて気味が悪かったのですが、それよりも時短を優先した私は毎日その道を通るようにしていました。

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ある日、その道路に落書きがしてありました。
「こんにちは」
アスファルトの道に、恐らく白い石で書いたのでしょうか。
私もよく子供の頃は、白い石を見つけては道路へ落書きをしたものです。
(近所の子が書いたんだろうな。)
そう思って、足早に通り過ぎます。

数日後、今度は
「あした、くもり」
と書いてありました。
見た時はあぁそうなのか、程度にしか感じませんでしたが、確かに次の日の天気は曇りました。
ですが当たったところで偶然でしょうし、天気なんて当たりそうなものです。

ところが数日後、今度は
「こっせつ、○○」
と書いていたのです。

○○の部分は、実際には人の名前でした。
そしてその名前の人は、私のクラスに実在しています。
まさかね…。
私はそんな事あるはずないと思いながらも、どこか胸騒ぎがしていました。

次の日、名前が書いてあった友達が本当に骨折してしまいました。
体育館で他人と衝突し、鎖骨を折ったのです。
この時になって私は、あの落書きはひょっとすると予言なのではないか、と思うようになりました。

その後も落書きは何度か続き、特徴がみえてきました。
1つ、落書きの内容は次の日に必ず当たる。
2つ、落書きは不定期だが、晴れの日に書かれる。しかし晴れれば書かれる訳ではない。
3つ、帰り道には文字が消えている。私が1人で通学する朝にしかない。
私しかみていないので、他人は誰もこの話を信じてはくれませんでした。
いつしか私は、落書きをみるのは怖さ半分、楽しさ半分といった心境になっていったのです。

そんなある日、落書きにこう書いてありました。

「▲▲、し」

▲▲は近所のおばあちゃんです。
最近体調が悪いとは聞いていましたが、「し」ってまさか…死?
これが的中するとしたら、とんでもない事です。
外れろ!と願ったのですが、予言は絶対でした。
次の日の夜、救急車で運ばれた▲▲さんは、そのまま亡くなってしまいました。
別に私が悪い訳では無いのですが、言いようのない虚脱感が襲います。

それから数日後。
落書きには信じられない言葉が書いてありました。

「つぎは、おまえ」

おばあちゃんが死んだ直後の落書きに、次はお前って…私は明日死ぬ?!
そんなの嘘でしょう!
パニックになった私は具合が悪いと嘘をついて家へ戻り、明日は家から出ないと心に決めます。
家にいれば、ひょっとしたら助かるかもしれない。
一縷の望みに賭けて、翌日は布団でずっと震えていました。

幸いな事にその予言は当たらず、私は中年を過ぎた今でも生きています。
ですが私が休んだその日、学級委員を選ぶ事になっており、休んでいた私は皆の推薦によって強制的に学級委員となってしまいました。

結果的には私の勘違いで済みましたが、予言の威力を知っていた私としては、あの日は生きた心地がしないほど震えあがりました。
ショックを受けると食事が喉を通らないと聞きますが、本当に食事を口に出来ない状態ってあるものなのだと実感した次第です。

この日以降、何となく落書きをみてはいけないと思った私は、雑木林の道路を通ることはしていません。
あの落書きは、一体何だったのでしょうか…。

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