恐怖の泉

実話系・怖い話「もがき苦しむ猫」

これは私が22歳の時、実家にまだ妹も住んでいた時に体験した話です。

私には昔から霊感があり、実家でも度々霊のようものを見ることがありました。
大抵は通りすがりなのか、1度見たら2度と同じ霊を見る事がなかったのですが…
ただ1人、数年に1度くらいの頻度で現れる女性の霊がいたのです。

その霊はとても濃いめの化粧をしていて、現れる時にはいつも何かを企んでいるような、不気味な笑顔を浮かべていました。
なぜか妹の部屋で見るパターンが多かったと記憶しています。
妹は私よりも霊感が強くありませんでしたが、時々見えることがあったようです。
その女性霊と同一人物であるかは分かりませんが、似たような特徴の霊を見たことがあると話していました。

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ある日、帰宅した私が妹の部屋の前を通ると、ザワザワと大勢が集まって話をするような音が聞こえました。
誰か来ているのかと思い立ち止まるとその音は止み、ドアを開けて確かめると妹はおろか、誰1人居ません。
その頃、私は毎日のように金縛りにもあっていて、ベッドの回りを誰かが歩いていたり、耳元で声が聞こえる等、不可解な出来事が頻発していました。
妹の方も、例の女性の霊がお腹の上に乗っていたと話しており、何かが起こりそうな予感がしていました。

そこで猫好きな妹は、両親を説得して猫を飼う事にしました。
これで1人部屋にいても怖くないし、猫も飼えて一石二鳥だね、と妹は喜びます。
猫にはモモという名前をつけ大切にしていたのですが…家にやって来て3日目。
モモが妹の部屋で大暴れをし出したのです。

モモは遊んで楽しんでいた訳では無く、とても苦しんでいる様子でした。
壁に激突するなど、あまりの異常行動に怖くなった私達は、夜遅くでしたが動物病院へ行く事を決意。
暴れ回るモモに引っ掻かれて傷だらけになりながらも、妹と2人がかりでキャリーバッグにどうにか押し込めて病院に向かいました。
車を出して数分後、あんなに暴れていたモモは急におとなしくなり、キャリーバッグで落ち着いて眠り始めます。

それでも狂ったような暴れようは正気ではないと獣医に見てもらい、検査などを受けましたが異常無し。
ダニなどもおらず、ストレスかもしれないね、とだけ言われたものの腑に落ちません。
とりあえずモモを連れて帰宅し、眠りにつこうとすると、また妹の部屋からものすごい音が聞こえて目を覚ましました。

妹は
「またモモが暴れ始めた!」
と泣きながら訴え、私が部屋へ行くとモモは先程と同じように大暴れをしていました。
声にならない鳴き声をあげながら壁や家具に激突を繰り返し、止めようとしても大暴れを繰り返すのです。
本当にこの状態で異常はないのかと、カメラの録画モードで行動を録画して、またキャリーバッグにモモを入れて車に乗り込みました。
するとまた、車を出して数分でモモはおとなしくなったのです。

もしかして、モモは霊的なものでおかしくなったのではないか、という疑いが私と妹の頭に浮かびました。
ですがそんな因果関係など、どうやっても証明など出来ません。
モモは違う獣医にも診てもらいましたが、やはり検査の結果は異常無し。暴れ回る動画を見せると、その獣医は
「こんなに暴れるならストレスだけじゃなさそうだね。」
と言って精密検査も受けさせたのですが、結果は健康でした。
そしてモモは、病院でも一切暴れることなくおとなしかったのです。

異常が無いと言われると、連れて帰るしかありません。
しかし夜中になるとモモはまたしても大暴れを始めます。
このまま家にいたらモモが死んでしまうと感じた妹は、モモを連れて車の中で寝ることにしました。
するとモモは安心したように朝までぐっすり眠ってくれるのです。
昼間は家の中に居ても暴れなかったので、家で留守番をさせていました。

ところがある日、妹が帰宅するとモモは家で冷たくなっていました。
昼間は大丈夫だと油断していたのが仇となったのか、周囲には暴れた形跡もあり、床には爪を立てた跡が今でも残っています。

死因を探るためモモの亡骸を獣医に診てもらいましたが、骨折はしているものの病気は見当たらず、怪我が原因ではないかと言われました。
妹は獣医から、猫を投げて虐待していたのではと疑われたのですが、動画を撮っていたおかげで理解してもらえました。
では、なぜモモがこんなにももがき苦しみ暴れていたのか。
獣医も理由が分からず首を捻る事しか出来ません。

モモは飼い始めてからあっという間に亡くなってしまいました。
同時に実家の怪奇現象も収まり、それから数年後に私と妹が実家を出るまでの数年、あの女の霊も見ることはありませんでした。
もしかするとモモが身代わりとなって霊を連れていってくれたのかもしれないと考えると、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

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