恐怖の泉

実話系・怖い話「女性の夢」

これは大分前に、私が体験した話です。

その日は日曜日だったのですが検定試験があったため、いつもより早く起きました。
私は部屋で壁の方を向いて寝る癖があり、起きた時も大体目の前に白い壁があります。

ところがその日は、白い壁に赤く飛び散ったものがあったのです。

最初は夢かな?と思いました。
ですが何回か瞬きしてみても、やはり赤く飛び散ったものが目に入ります。

寝ぼけて赤いペンでも使ったのだろうかと思ったのですが、ペンというよりインクが飛び散った感じでした。
もしかして血かと思い近づいて臭いをかいでみましたが…そのような臭いはしません。
気にはなりましたが、検定の方を優先しなければいけないので、とりあえず帰ってから考えようと思いました。

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ところが検定が無事終わり壁を見てみると、何もないではありませんか。
夢だったのかと思いましたが、壁を見ている時は意識がはっきりしていましたし、記憶も確かです。
都合よく誰か家族が来て、気づいて拭いていったという可能性も考えましたが、それをしていたら連絡が入っているはずです。

それならあれはなんだったのだろうと考えましたが、異常はなかったので気のせいだったのだろうと思うことにし、その日は眠りにつきました。

その日夢を見ました。
私は血だらけでした。
私の血ではなく、どうやら目の前にいる女性の物のようです。

女性は私の方をじっと向いています。
私が声をかけても、何も反応しません。
なんだか怖くなって、私はひたすら逃げました。

ひたすら走って後ろを振り返ると、もうそこに女性はいませんでした。
よかったとホッとしたのも束の間、目の前に女性が突然現れました。
驚いた私は、腰を抜かしてへたり込んだ…ところで、目が覚めたのです。

起きてみると、私は鼻血を出していました。
そのまま寝返りをうったのか、枕カバーにも血が点々とついていました。
その血は都合よく消えてくれる訳も無く、洗って落としました。

それから、その女性は夢へ度々出るようになりました。
女性の顔は隠れていて見えません。
女性の夢を見ると、私は血を出したり怪我をするようになりました。

そんなある日、私は夢でその女性の顔を見ることに成功したのです。
今まで会った事のない、知らない人でした。
彼女は私に笑いながら言いました。

「今までみんな怖がって私の顔を見ようともしてくれなかったけど、あなたは見てくれた。ありがとう。」

あまりはっきりと覚えていませんが、確かこのような内容だったと思います。
私は女性の顔がずっと気になっていたので、次に夢へ出たら見ようと思っていたのが良かったのかもしれません。
その日も起きたら鼻血は出ていたのですが、その日以降女性の夢はみなくなりました。

少々気持ち悪い出来事ではあるのですが、私の体験した話でした。

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