恐怖の泉

人間の怖い話「実家の侵入者」

私の実家は不法侵入の被害にあったのですが、その時の体験をお話したいと思います。

私が高校生だったある日の夕方、いつもより早く帰宅した私は2階の自室でくつろいで漫画を読んでいました。
家族は皆買い物へ出かけ、家には私1人しかいません。

トイレへ行きたくなったので部屋から出た時、異変に気づきました。
「タバコ臭い…?」
我が家には私も含めてタバコを吸う人間はいません。なのでタバコの臭いがすることはありません。
どこから臭いがするのか探索しようと、まず隣の妹の部屋を開けた時でした。

部屋の電気をつけた瞬間、見た事も無い男が立っていたのです。

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男はサンダルを手に持ち、妹の部屋の奥に立っていました。
私が恐怖を感じながらも「ここで何をしているのか」と問うと、しどろもどろに意味不明な言い訳を言っています。
逃がしたり変な事をされてはいけないと思った私は、男の腕を掴んで逃げられないようにしながら誘導しました。
男は黙って私についてきて、そのまま別棟にいた祖父の所で警察に110番してもらい御用となりました。

警察の調べによりますと、犯人の男は我が家のすぐ目の前のアパートに住んでいました。
しかもこれまでに何度も、人の居ぬ間に侵入していたというのですから驚きです。

男の目的は妹の下着でした。
妹が男の好みのタイプだったようで、勝手に他人の家へ侵入をしては下着を物色していたそうです。
物色するだけで盗み等の行為はしていなかったため、今まで誰も気づきませんでした。

犯人は我が家へ侵入する際、私達の行動パターンをかなり調べて把握していたようです。
家のセキュリティが甘い箇所も知っており、安全な日時を割り出しては犯行に及んでいました。

ですが何度も犯行を重ねる内に油断したのか、はたまた捕まらないだろうと高を括ったのか。
いつもとは違う私の行動によって無事逮捕となりましたが、男が侵入したのに物音が一切しなかった事にはビックリ仰天でした。
薄暗い部屋に大柄な男がうっすら見えた時の恐怖は、言葉にならないほど怖かったです。

下着を物色された妹は当然ながら気味悪がり、全ての下着や服を新調しました。
妹の被害を思うと可哀想ではありますが、変にエスカレートする前に解決出来て良かったかなと思う事件でした。

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