実話系・怖い話「実家の池」
今はもう取り壊されて無くなってしまいましたが、これは私の実家の話です。
実家は自分の親が建てたものではなく、祖父の妹、自分にとっては大叔母にあたる人物が建てた家でした。
大叔母は結婚はしたものの子供には恵まれなかったそうです。
詳しい経緯は分かりませんが、私達がそこへ住めば幼い私の成長を間近で見れて、子供を持てなかった大叔母の想いが晴れるのではないか。
そんな理由から、住まいの一部を私達家族が借りて大叔母と住むことになったのでした。
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実家のど真ん中には、なぜか池がありました。
水深は浅く、3畳分ほどの大きさ。いつも大きな金魚が数匹放たれていて、気持ちよさそうに泳いでいました。
私が幼い頃は、母と金魚の姿を眺めるのが好きだった記憶があります。
ですが大叔母だけは、池を嫌っている様子が伺えました。
その池がおかしい、と私が感じたのは中学生くらいの頃だったでしょうか。
実家の土地は長方形の50坪ほどです。正直言って広いとは言えない大きさでした。
そんな場所に家を建てるのであれば、敷地のど真ん中に池など作るでしょうか?
ましてや家相上良くないとされる、湿気を放つ水場です。
またよく見ると、池の底に貯まる藻が何だか「人の形」に見えるのです。
池の水は井戸から掘り上げた綺麗な地下水で、私達は生活用水として利用していました。
たまに池を大掃除するのですが、その時に確認するも池の底は人の形などしておらず、平です。
でも何故か、藻が人の形に集まるのです。
発生する藻も不気味で、色は黒に近い紫色。丁度血が固まって乾いた時に出来る色のようでした。
手ですくうとスポンジを細かく砕いたかのようになり、掴めません。
私が大人になった時、なぜ池があるのか大叔母に尋ねてみると、話をしてくれました。
大叔母が家を建てるためにその土地を買おうとした時、不動産屋に言われたそうです。
「この土地の、この場所にだけは、絶対に建物を作らないで下さい。」
大叔母が何故かと訊くと、不動産屋は続けて話します。
いつからかは分かりませんが、古くからこの土地は火葬場として使用しており、丁度その池のある場所が人の遺体を焼く所だったのだと言います。
特に戦時中は空襲によって多くの亡骸を弔ったので、あまり良くないのではないかとのことでした。
大叔母は言いつけ通りに家を建てましたが、何もないのも殺風景だと思い、その池を作ったのだそうです。
更に恐ろしい事実として、この家の池に関わった全ての人に子供が出来なかったと大叔母は言います。
事実、大叔母はもちろん母も実家に住んでからは子宝に恵まれず、私自身も子供が出来ません。
私は検査でも異常無しで、どうしようもないので今では諦めています。
他の土地に住む親戚は皆3~4人の子供がいるので、子供が出来やすい血筋だとは思うのですが、不思議です。
大叔母の死と共に実家は取り壊されましたが、土地は他人の手に渡って、今はどうなっているのか分かりません。
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