恐怖の泉

実話系・怖い話「観覧車の女性」

これは私が中学生だった頃の話です。

夏休みの真っ只中、宿題を全て終わらせていた私は、残りの休みを満喫するだけでした。
そんなある日、家でゴロゴロしていると友達から電話がかかってきました。
その友人も夏休みの宿題は終わったらしく、一緒に遊園地へ行こうと誘われました。
暇で仕方なかった私は、二つ返事で承諾したのです。

友人が家まで迎えに来てくれるというので、外出着に着替えた私は友達が来るのを待っていました。
それからほどなくしてインターホンが鳴り響き、慌てて出るとラフな恰好の友人が立っていました。

友人「おはよう。こんな良い天気の日には外出しないと損した気分になるよね。」
私「まぁ、確かに晴れた日に遊びに出かけたら得した気分にはなるかもしれないね。」
友人「そうでしょ?遊園地に誘った私に感謝してもいいんだよ!」
私「うん…それじゃ、遊園地に行こうか。立ち話も何だし。」
友人「…うん、それもそうだね。それじゃ、車に乗って。」

友達はどこか気落ちしたような表情で車に乗りました。
もしかしたら感謝の言葉が欲しかったのかもしれません。
ですがまだ遊園地に行ってもいない段階で、感謝の言葉を述べるのは早い気がします。
友達には悪いですが、感謝の言葉は最後に言うことにしました。

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友達の母親の運転で市内の遊園地に向かいました。
友達と他愛もないお喋りをしていると、ほどなく遊園地に到着です。

友人「遊園地といえばジェットコースター!ということでジェットコースターに乗ろうよ!」
私「いきなり?まあ、別にいいけど。」

友達の提案で、早速ジェットコースターに乗り込みます。
しかし実を言うと…私は絶叫系があまり得意ではありません。はっきり言って苦手です。
でも友達が誘ってくれたわけですし、得意じゃないからといって無下に断るわけにはいきません。

何とかジェットコースターの危機を乗り切った後、観覧車に乗ることにしました。
ゴンドラの窓から見える景色は綺麗なようで怖いな…と思っていると、もう半周しています。
あと少しで一周すると思った瞬間。

ドンッ!

鈍い音と衝撃が響き渡りました。
何の音だろうかと友達と顔を見合わせていると、窓に赤黒い液体が流れてきます。
続いて女性と思しき手と頭が窓の外に垂れ下がり、私は思わず悲鳴をあげました。
友達は腰を抜かしたようで、その場に座り込んでいます。友達の母親は有り得ないほど目を見開いていました。

地上に到着するや否や、私達は逃げるように外へ飛び出しました。
ところが後ろを振り返ると、ゴンドラの窓には血はおろか、女性の姿すらありません。
周囲を見回してみるも、先程の凄惨な状況は全く見当たりません。

何が何だかさっぱり分かりませんでしたが、既に遊ぶ気分ではなくなっていた私達はそのまま帰宅しました。

後で分かったことですが…その遊園地では10年ほど前にゴンドラから女性が落ちた事故があったらしいのです。
彼氏と口論になり突き落とされたらしく、女性は頂点の位置から落下。一番下にあったゴンドラに激突したとのことでした。
すぐに病院へ搬送されたようですが、その日のうちに息を引き取ったというのです。

私たちが見た女性が、10年前に亡くなったという女性だったのかは分かりません。
どのゴンドラに激突したのかも定かではありませんし、そもそもそのゴンドラはすでに撤去されているかもしれません。

あの日見た恐ろしい光景は、今でも目に焼き付いています。
友達はすっかりトラウマとなり、観覧車には絶対乗りたくないようです。
私も同じく、観覧車と聞いても恐怖の感情しかありません。

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