恐怖の泉

実話系・怖い話「DVをする元彼」

これは当時、大学生だった私が体験した話です。

4つ年上で社会人の彼と付き合っていたのですが、とても優しかったはずの彼は付き合うとなった途端、本性を出したのです。
いわゆるDVというもので、気に入らないことがあるとすぐに物を投げつけたり、髪の毛をひっぱられたり等の暴力を受けました。

そうなる度に別れようとは思うのですが、彼は普段とても穏やかでものすごく優しいのです。
マメで連絡も欠かさないですし、私がバイトへ行くと時間が会えば迎えに来てくれる上、家事もこなせる人でした。
本性を知るまでは「こんな人と結婚できたら良いな」とも思っていたほどです。
そういった人間の特徴なのでしょうが、いわゆる飴と鞭のギャップと言うのでしょうか。なかなか別れるという選択が出来ないまま付き合っていました。

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ある時、彼の悩みを友達へ相談したら、友達から
「その彼は典型的なDV男だよ、すぐに別れた方が良いよ。」
とアドバイスされました。
他人から言われてやっぱりそうなんだな、と確信したところで、ようやく私も決心をすることが出来ました。

ところが彼に「別れたい」と伝えたところ、ものすごい形相で怒ってきて
「俺の何が気に入らないんだ!」
と怒鳴って私の顔を平手打ちしてきました。
我慢の限界に達した私は
「そういう暴力を振るうところが気に入らないの!」
と大きな声で言い返しました。
そして家を飛び出そうとしたのですが、腕をぐっとつかまれて逃げられません。
また殴られる…そう思ったのですが、振り返ってみると彼は泣き出し始めました。

「ごめん、ついカッとなってしまっただけなんだ…」
そう言って泣き崩れる彼。そして
「絶対に別れたくない。許して欲しい。」
と懇願してきます。
彼があまりに泣いている姿を見て一瞬許そうとも思ってしまいましたが、またほだされてはいけないと思い「ごめん」と言って家を飛び出しました。

その後はしばらく何もなかったのですが、同棲していたのでいつかは荷物を取りに行かなければなりません。
とりあえず最低限のものだけでもと思って、彼がいない隙に合鍵を使って部屋に入りました。
仕事をしている時間帯ですので、彼は当然居ません。
ですが突然玄関が開いて、彼が帰ってきました。

予想外の出来事に私がビックリしていると、彼は
「携帯にGPSをつけていたんだよ。」
と言いました。
私は本当に怖くなって「荷物を取りにきただけだから!」と言って帰ろうとするも、彼は「僕から逃げられると思うなよ!」と近づいてきます。
本気で恐怖を感じ、なんとか必死になって逃げた私は、そのまま携帯を解約しにいきました。

これで彼との関係を絶ち切れたと思ったのですが、その後もどこからか私の携帯番号を聞きつけて電話されたり、私の大学まで押しかけてきたりとストーカー行為に発展しました。
ここまでくると危険なので、友達に協力をしてもらって警察へ被害の届出をしました。
それで電話や待ち伏せといったことは無くなったのですが…今度は私の体調が思わしくありません。

何故か異様に肩、特に左側がこって体が怠く、歩くのも辛くなり、最終的には大学も休むようになりました。
家で半ば寝たきりに近いような状態になり、病院で見てもらっても
「異常無し、疲れているんじゃないか。」
という診断しかされません。
私も元彼から受けたストレスが原因かな…と思っていました。

そんなある日、体調を心配した家族が気晴らしとして、私を御祓いに連れて行ってくれました。
するとそこの神主さんに
「その持っているカバンを今すぐ捨てなさい。」
と言われて、その場で供養してもらいました。
そしたらなんと、次の日から驚くくらい体調が回復し始めたのです。

実はそのカバンは、あの元彼から誕生日プレゼントで貰った物でした。
私はよくカバンを左肩で持っていたので、それが原因だったのかと思うとすごくゾっとしました。

生霊や幽霊なんて全く信じていない私ですが、この件では流石に霊的な力があるのかと思わざるを得ませんでした。
今思い出しても背筋が凍りつくような出来事です。

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