実話系・怖い話「横須賀米軍基地の怪」

数年前、恋人と夜のドライブを楽しんでいた時のことです。
横須賀の米軍基地の辺りを走っていて、私は車内から夜空の星をなにげなく眺めていました。星がよく見える夜だったので、空は晴れていたように思います。

それにしても星がよく見えるなぁ、と思っていると、その星の中のいくつかが動いていることに私は気が付きました。
そんなはずはないので、何度も目を凝らして見ていました。すると、星だと思っていた光る点は、確かに右回りの大きな弧を描いて飛行しているではありませんか。
私は驚き、慌てて彼氏に言って車を停めてもらい、車外に出るとその数を数え始めました。

数えているうちにどんどんその点の数は増え、最高で10個ほどあったのを確認しました。日本の上空を飛ぶもので、発光しながら上下に弧を描くような飛び方をし、しかも群をなして同じ方角に向かって飛ぶものなど見たことがありません。かといってそれはホタルのような虫の光り方でもなく、明らかに機械的な同じ強さの光です。
点滅もせず、何分か向かって右方向に回転しながら移動をした後、それは少しずつ数を減らして最後には消えました。

その後さらにゾッとしたのは、彼にその光のある方向を指して教えたのですが、彼にはそれが見えなかったことです。

あの光は一体何だったのでしょうか…。私は幻覚を見たことはこれまで一度もありませんし、その時も意識はしっかりしていました。
私一人だけが目撃したことが怖かったです。彼にも一緒に見ていて欲しかった。
米軍基地の上空でそんなものを見てしまい、今でもそのことを思い出すとうすら寒い思いがします。