恐怖の泉

実話系・怖い話「キャンプに行く途中で」

これは私が小学校中学年ぐらいの事だったと思います。
ある夏の日、家族4人でキャンプに出掛けることになりました。いつも車に乗る時は、運転席がお父さん、助手席がお母さん、右が妹、左側が私と決まっていました。
私と妹は車に酔いやすいので、いつも窓を全開にして、顔を出して乗っています。

今回は初めて行くキャンプ場で、田園風景の中を走っていると、お父さんが道に迷ったようでした。その頃はナビもなかったのでぐるぐると回っていましたが、人も誰もおらず、とりあえず停まってみるとちょうど立札が倒れており、キャンプ場への道が偶然分かりました。

スポンサーリンク

立札の通りに道を進んでいくと、山道へと変わってきました。妹側は山側で、私の方は川だったり木々が見えてたり…
そんな時、パァーと開けた広い野原のような景色が見えてきました。今までと違う景色に目を奪われていると、遠くの方に錆で覆われたような古ぼけた1台のバスが見えました。

よーく見てみると、そのバスには人が乗っています。「えっ?!」と思いもう一度見直して見ると、老若男女さまざまな人たちが顔や体を怪我をしているようで、服もボロボロで血だらけなのです。
その人たちが全員、私のほうを見ていたのです。
私は恐ろしくなって、思わず顔を伏せました。

顔を上げた時は、もう景色も変わっていて普通の山道に戻っていましたが、このことは怖くて家族には話せませんでした。
その後は何も起きませんでしたが、今でも忘れられません。あの体験は本当の事だったのか…今でも分かりません。

スポンサーリンク

TOP