実話系・怖い話「ご近所トラブル」
私は以前、家賃の安い市営団地に住んでいたのですが…ある出来事がキッカケで引越しました。
今回はその時の体験談をご紹介します。
市営団地の2階に私は住んでいたのですが、1階住民に普通じゃない方がいたため、よくトラブルを起こしていました。
その1階住民というのは、70代の老婆と40代の娘さん、2人暮しの部屋です。
詳しい事はよくわかりませんが、どうも精神疾患を患っていたらしいんですね。
2人共仕事はしておらず、障害年金で生活してるということでした。
そのためなのか、普段からこの2人の行動は常軌を逸していると近所でも有名でした。
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私が階下の老婆とよく衝突したのが、騒音問題です。
まぁマンションだとこれはあるあるだと思いますが、この老婆は物音にかなり異常だったんですよね。
一応こちらも迷惑を掛けては悪いと思って、必要以上の音を出さないように気をつけてましたが、老婆にとっては耐えられない騒音だと感じたようです。
ドアをドンドンドンっと叩いて乗り込んでくることも多々ありました。
私だけでなく隣の住民相手にも同じようにドアをドンドン叩いて乗り込んだりもしていました。
その異常さは、他の住人から「あんなのが下にいて大変だね~」と同情されるほどでした。
また私が表を歩いていると、窓からこちらをジーっと見つめていることもよくありました。
何かされるという訳ではありませんでしたが、見られているというのは不快な感じがするものです。
ところがある日、この老婆と娘が急にいなくなったんです。
私だけでなく近隣住民の方たちへの報告も一切なかったようで、ある日気づけば部屋はもぬけの殻だったそうです。
何があったのかは知る由もありませんが、報告を受けた私は「トラブルの元が減って良かった」と少し安心していました。
それから下の部屋には誰も入居していない状態が続きました。
そんなある夜中、睡眠中にドアをドンドンドンと叩く音で目が覚めました。
寝ぼけていたのと昔の習慣とで「またあの老婆が怒鳴り込んできたか!」と思いドア前まで行きました。
しかしドアのスコープから覗き込むも、ドア前には誰もいません。
あれ?と不思議に感じつつベッドへ戻り、寝ます。
するとまたドアをドンドンドンっと叩く音で目が覚めるんですよね。
この時にやっと、そういや階下には誰も住んでないし老婆もいない、と思いました。
目覚めてすぐにドアを叩く音は止んでましたが、一応先ほど同様ドアスコープでドア前を覗きます。
やはり誰もいませんでした。
こんな事が続くうち、ドアを叩いてる時に老婆の声が聞こえるようになったんです。
また戻ってきてイヤガラセをしに来てるのか?と思うものの、やはりドア前に人はいません。
そのうち私が自宅で入浴してると、お風呂のドアをドンドン叩かれるようにもなりました。老婆の声も聞きました。
当然玄関のドアには鍵が掛かったままで、誰も侵入出来るはずはありません。
部屋にも誰もいません。
こういった出来事が続き、眠れなくなった私は体調を崩してしまいました。
そんな事が続いたある日、外出した際に老婆がいた1階の窓を見てみると…なんと老婆がいたのです。
ですが次の瞬間、姿は消えていました。
遠目だったので私の見間違いだったとは思うのですが…確かに見たような気がします。
もちろん1階には老婆どころか、誰も住んでいない状態です。
ここでやっと、老婆はもうこの世のものではないかもしれん…と悟りました。
身の危険を感じた私は、引越して逃げました。
引越後、ドアドンドン攻撃はありません。
ですが、宅配便の人等にドアをノックされると今でも嫌な汗が流れます。
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