恐怖の泉

人間の怖い話「身から出た錆」

私は現在47歳、既婚の女性です。
結婚歴は約20年。子供も大学生になり親元を離れました。
夫は某お菓子会社のサラリーマンですが、転勤が多くこの8年間は子供の学校の関係で、夫だけ単身赴任生活を送っていました。
現在は同居していて、夫婦仲も決して悪くはありません。

私は学生時代から少しだけ容姿に自信があったので、高校と短大時代は読者モデルのアルバイトをしていたり、ドラマのエキストラなどを経験した事もありました。
自分で言うのもあれですが、少しだけモテてきました。
そんな私は25歳で夫と知り合って、授かり婚をしました。
結婚後は暫く専業主婦をしていましたが、子供が高校生になった時に友人からの誘いで、美容品の販売員をパートでする様になりました。

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そんな私が夫以外の男性とお酒を飲みに行ったり、時に一夜の恋をする様になったのは43歳の頃でしょうか。
夫もその当時はF県へ単身赴任をしていたので帰宅する事が出来なくなり、土日となると子供が友人宅へ泊まりに行ったりしてしまいます。
孤独に耐え切れなくなった私は、お酒が好きな事も相まってよく外へ飲みに行くようになったのです。

最初の頃は職場の若い子の合コンに特別参加したり、若い子との飲み会などを賑やかに楽しんでいました。
夜に出歩く癖がついてしまった私は、そのうち子供の高校の役員会にも頻繁に参加する様になっていきました。

当時の副会長は、来年には会長になると言われていたやり手の男性でした。年齢は私の少し上で51歳。
とてもさっぱりしている性格で、大学までラグビーをしていた事もありがっちり系の頼れる男性でした。

最初は同じ役員の仲間の1人という認識でしたが、メールアドレスを交換して個別に連絡をとるようになり、2人で飲みに出かける関係性になっていました。
実は私は最初から彼を意識していて、相手も私に好意を持っているのかな?と感じていた事もあり、もて遊ぶかのような態度を取り続けていたのです。

少し言い訳をさせて頂きますと…彼の奥さんを文化祭の時にちらりと拝見して、取っ付きにくい感じのキレイ系な人だったので「負けたくない」というライバル心が生まれてしまったのかもしれません。
あの奥さんから、彼の気持を奪ってやりたい!と意地悪な気持ちが生まれていたのです。

その後も彼とは2人で飲んだり、深夜に通話を楽しんだり、完全に私のペースに彼を巻き込んでいました。
一度だけ身体の関係を持ちましたが、私の中では一度で満足感を持ってしまい、それからは段々と疎遠になる様にしていきました。
子供の学年も上がり、私は役員を引き受けない予定でいたので、学校で会うことも無くなればこのまま消滅する関係。
彼からのメールや着信も5回に一度のペースで返すくらいに抑え、普段は彼からの連絡をスルーしていました。

すると予想外の出来事が起こりました。
彼から来るメールの内容が変化してきて、ある日突然私の職場の下で待ち伏せされるようになりました。
また名簿から調べたのでしょうか。自宅の玄関モニターの録画に彼が写っていたのです。インターホンを何度も鳴らした様子もありました。

私は急に怖くなり、独身時代からの友人に話すと
「それストーカーになる恐れがあるから、突然突き放すと怖いかも。」
と言われたのです。
そしてそのアドバイスは的中しました。

彼からのメールはエスカレートし
「妻と別れるから君も離婚して欲しい」
「とにかく会いたい、顔を見せて」
など、過激な文章が届くようになりました。

1年間はなんとか我慢をし、子供の大学進学が決まったタイミングで私は自宅を離れて夫の住む所へ行き、難を逃れました。

何も起こらないまま関係を絶てて良かったと思いましたが、彼をストーカーにさせてしまったのは、紛れもなく私自身が原因です。
「身から出た錆」という言葉がありますが、まさにその通りだと今は猛省しています。

風の噂では、その副会長は会長になったものの奥さんとは別居していると聞きました。
他人の心を弄ぶような行為や、簡単な女でいるとトラブルになりますよ。

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