恐怖の泉

実話系・怖い話「電話に出たおばあちゃん」

これは私が若かりし頃の、まだ携帯電話が普及する前にあった出来事です。

時期は冬だったでしょうか。私は長期出張で1週間ほど家を空ける予定がありました。
準備は万端。さぁ出かけるかと一度会社へ向けて出発しました。

会社であれこれと仕事を済ませ、そろそろ出張先へ行こうかなという時に同期の仲間から
「あ~Mさん(私の名前です)、丁度良かった。」
と引き止められました。

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「さっきMさんの家に電話したら、おばあちゃんが出て『もう出かけました』って言うから、てっきり出張へ行ってしまったのかと思ってたよ。」
「えっ…?」
「おばあちゃん、遊びに来てたの?」

そんなはずはありません。
私はもう長いこと1人暮らしです。今だって自宅のアパートには誰もいないはずなのです。
しかも、私のおばあちゃんはもう既に他界していました。

誰かが勝手に家へ入った?
当時は連絡手段といったら家に据え置きの固定電話しかありませんでしたから、何者かが私の家で電話を受けたのは確かなようです。
とりあえず、出張前に一度部屋へ戻ってみることにしました。

アパートに着いて確認してみると、鍵はしっかり閉まっており人など誰もいませんでした。
ただエアコンがつけっぱなしになっており、危うく誰もいない部屋で暖房を1週間つけたままになる所でした。

今では亡くなったおばあちゃんが、部屋のエアコンをつけっぱなしにしていた事を教えてくれたんだな、と思っていますが…とても不思議な出来事でした。

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