恐怖の泉

実話系・怖い話「霊感の強い上司」

これは、私の母が勤める職場の上司から聞いた話です。
母の上司は霊感が強いそうで、日頃から幽霊を見たり金縛りにあったりと、不思議な体験をする人なのだそうです。

ある日、上司が訪問介護先へ行った時でした。
そのお宅の玄関はあまり光が入らず、なんとなく薄暗い場所で、そこに花を飾っていない花瓶が置いてあったそうです。
花瓶の中には水だけが入っていたのですが、その花瓶を上司が何気なく見ていたところ、中から人の手がゆっくりにゅ~っと出てきたのです。

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さらに花瓶から人の手が出てきた後に、霊の顔や足と続いて全身が出てきてしまい、母の上司は困惑したとのことでした。

出てきた霊は顔色の悪い女で、花瓶から出た後はしばらく玄関のあたりをうろうろしたり、玄関の隅でじっと立ったりしていましたが、玄関が開いた途端外へすーっと出て行きました。

しかし霊がいなくなってホッとしたのも束の間、家の中に入ると居間には別の霊がいたそうです。
居間にいたのはおばあさんの霊で、すーっと近づいた後、隣にやってきて上司の顔をずっと覗き込んできたとのことでした。

そのお宅には幽霊が数体いたそうで、一見生きている人間と見分けがつかないほどだったと言います。
上司曰く、マイナス志向でいると陰気なオーラに誘われて霊が集まってきてしまうらしいので、そこの住人が外へ出歩いた際に霊を連れてきてしまったのかもしれません。
悪い霊はいなかったらしいですが、霊と人が共存する不思議なお宅だったとのことでした。

霊感があるとそんな不気味なものを目撃してしまうのかと思うと、自分には霊感がなくて本当によかったと思います。
この話を聞き終わった後、私の家にもある花瓶が怖くなりました。

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