恐怖の泉

人間の怖い話「脱衣所の覗き」

これはずいぶん前、私が小学生くらいの頃の話です。

当時、私は1人でお風呂に入る日もありましたが、母親と一緒にお風呂に入る日も時々ありました。
母にその日あった出来事を話したり、ふざけて母を笑わせたりしてコミュニケーションを取るのが、私は好きだったのです。

我が家の脱衣所は外へ出られる勝手口があったのですが、そこにはスライド式の窓のようなものが付いていました。
普段はその窓を閉めていたのですが…どうやらそこから、誰かが脱衣所を覗いていたのです。

スポンサーリンク

その日は母と2人でお風呂に入っていました。
湯船からあがり脱衣所で体を拭いていると、母が
「覗かれてる」
と耳打ちしてきました。
「え?」と思って私がドアの方を見るも、既に人の気配はなく、父が周囲を見回っても犯人を捕まえることは出来ませんでした。

私は母との会話に夢中になっていて、全く覗かれていることに気づかなかったです。
ひどく鈍感だったのでしょう。

我が家は民家が集合する地帯にありましたが、夜は街灯があっても暗く人気も少ないです。
脱衣所を覗いている不審者がいても、暗闇で周囲から気づかれなかったのかもしれません。
しかも小さいスライド式の窓から覗くのだから、覗かれた者も覗きの存在に気づきにくいと犯人は思ったのでしょう。
母と私2人も全裸で、気づくまでの数分間はあられもない姿を見られてしまったのでした。

私は当時、小学生でまだ体が成長しておらず胸がなかったです。
女性というよりは子供の体でしたが、自分の全裸を見られるのは非常に抵抗がありましたし、さらに覗かれていたとなると非常に腹立たしくて悔しく、ショックで言葉が出ませんでした。
それと同時に、思わず鳥肌がたつぐらいゾッとしたのを覚えています。
周辺のお店は個人商店ぐらいしかないような田舎でしたので、ご近所の方々はほとんどが顔見知りです。
覗きなんてまさか出るとは思いもしない環境で、でもその中に覗いていた犯人がいるのかと思うと不気味でたまりませんでした。

後日、検証しようと家族で外から、勝手口のスライド式の窓を開けて脱衣所を覗いてみました。
小さい窓とはいえ、しっかりと脱衣所内部全てが見えるのです。
それ以来、スライド式の窓に内側からガムテープを張って中を覗けなくさせました。
風呂場の窓の横についていた曇りガラスにも木の板を張って、シルエットも確認できないほど覗き対策をしました。
風呂に入る際は、風呂板を立ててブラインドがある窓を隠し、さらにはお風呂からあがった際にバスタオルを巻いて裸を隠すなど徹底的にガードしました。

対策が功を奏したのか覗きはなくなりましたが、覗かれた気分の悪さや恨みは今も残っています。
ゾッとした思いもずっと心に残っていて、思い出す度に気持ち悪い思いでいっぱいになります。

その後、知り合いの家でも風呂場を覗かれたという話を聞いて、被害にあったのは我が家だけじゃないことを知りました。
知り合いの家の風呂場を覗いたのは、我が家の脱衣所を覗いた男と同一犯なのかはわかりませんが、気をつけないといけないと強く感じました。

周りが知っている人間や田舎だからといって、覗きなどの犯罪が起きないとは限りません。
女性の方々はくれぐれもご用心下さい。

スポンサーリンク

TOP