実話系・怖い話「階段の靄」
これは私が小学生の頃の話です。
今だに覚えていて、怖い体験の話題になるといつもしている、持ちネタの一つでもあります。
その当時小学3年生くらいだった私は、2階建てのハイツのような建物に住んでいました。
階段の前にトイレがあって、トイレに入りながらドアを開けると、ちょうど目の前に階段が見える間取りでした。
私はトイレに1人で行くのが怖くて、いつもドアを開けたまま用をしていました。
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ある日いつものように開けたまましていて、ふと階段を見ると真ん中辺りに白い靄がかかっていました。
なぜかその靄を見た一瞬で私は
「あ!女の子がいる!」
と思ったのです。
すごく不思議な感覚でした。
小さい女の子が階段の真ん中の左側に、もたれかかって座っていました。
なぜあの靄が女の子に見えたのかわかりません。でも直感でわかりました。
このとき私はまったく怖くありませんでした。
むしろなんでそんなところに女の子が座ってるんだろう、という思いの方が強かったです。
それからというもの、その女の子は頻繁に階段へ居座っていました。
でもいつもいるというわけではなく、夕方にいることの方が多かったです。
そしてなぜか階段を上がる時は、どうしても女の子を見つけることが出来ませんでした。
階段を上がるのは怖かったのですが、女の子の居場所に着いてみても、姿は見えません。
もしかしたら目の前にいたのかもしれませんが、見えませんでした。
その後、私達家族は新しい家へ引越し、月日が経つに連れてその女の子の事も忘れていきました。
ある時家族でキャンプに行くことになったのですが、夜キャンプで寝転んでいた時に1つ上の姉と、昔の話になりました。
色んな話をしているうちに昔住んでいたハイツの話になったのですが、わたしはその時にあの少女のことを久しぶりに思い出しました。
夜だったので、思い出して少し怖くなりました。
すると1つ上の姉が唐突に
「そのハイツにいたとき1番びっくりしたことある?」
と聞いてきました。
変な質問だなと思いながらも、私はあの少女のことを思い出しながら「ある」と答えました。
すると姉が
「私、前の家の階段が怖かった時期があった。」
と言ったのです。
私は驚きました。
もしかして同じことを思ってるのかなと思って私が
「白い靄見たことある?」
と訊くと、姉は
「靄見えたことある。でも私には女の子に見えた…。」
と答えました。
それを聞いたとき私はめちゃくちゃ怖かったです。
何年か経っていくうちに、あれは光が当たった加減でそう見えただけだったのか…と思い始めていたのに、まさか姉も同じものが見えていてビックリし、2人で恐怖に震えました。
姉は当時、私が怖がるかなと思って言わなかったらしいです。
私も姉も霊感は全くなく、その女の子に見える靄以外の不思議な体験はありません。
霊感のある人が近くにいると霊感が付くという話を聞きますが、私にも姉にも知り合いに霊感のある人もいませんでした。
結局のところ、あの靄と女の子がなんだったのか分かりません。
危害があったわけではないので悪い幽霊ではなかったと思いますが…多分これからも忘れることはない出来事です。
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