恐怖の泉

実話系・怖い話「狐の女の子」

これは私が子供の頃に体験した、未だに忘れられない出来事です。

当時14歳だった私は、学校から直帰して家でテレビを見たり本を読んだりしてゆっくりしていました。
15時ぐらいだったと思いますが、急に眠気がきて耐え切れず寝てしまいました。

外から誰かが「こんにちは」と言っている声で、眠りから覚めました。
私は「誰だろう…起きなくちゃ」と思って起きようとしたのですが、体が動きません。

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「えーなんでー」と思っていると、外にいる人の声が別の誰かと話しているような感じがしました。
「母が帰ってきたのかな」と思いました。

体は動かないのですが顔や首は動きます。
ここからが体験をしているのか夢なのか分からないのですが、首を動かすと窓があって外の庭が見えたのです。
当時の家は平屋で縁台があったのですが、その縁台に女の子の子供が座っていて、外にいる人と話をしているようでした。
私は「誰なのだろう」とその女の子を見てました。

女の子はおかっぱ頭で赤っぽい着物をきて、正座していました。
着物といっても、よくテレビや写真などでみたことのある、昔の子供たちが普段着ているような着物でした。
私は彼女を見ながら「何故着物着てるの?」と思っていました。

その女の子は楽しそうに外の人と話をしていて、話が終わったのか外の人は帰っていったようでした。
ですが外の人は帰っても、女の子は縁台に座ったままです。

私は「あなたは誰?」と聞こうとしましたが、声がでません。
ただその女の子を見ているだけです。
すると女の子は何を言わず私のほうを向いたのです。

私は女の子の顔を見てびっくりしました。
なぜなら人間だと思って見ていた女の子の顔は、狐に見えたからです。

いえ、よくある白いキツネのお面をつけていたのでしょうか…。
それはよく分からないのですが、私が「キツネ?!」と思っていると、その女の子は私の方へ向かってきたのです。
私は怖くなり目をつぶってしまいました。

次の瞬間、胸の上に誰かが乗ってきたような、一瞬どんという衝撃が加わりました。
重さも感じ、胸が重苦しくなりました。
そして次に首をしめられているかのような感覚があり、とにかく息ができなくて苦しいのです。
ほどこうにも体も腕も足も動かない状態だったので、どうしたらよいか分かりません。
なぜか目も開くことが出来ません。

そんな時、母の「ただいま」という声がしました。
するとフッっと体が軽くなり苦しさもなくなりました。
しかしすごく疲れたような感覚で体に力が入らず、すぐには起き上がることができませんでした。
私はとにかく「助かった、息ができる、もう苦しくない」と思いました。

そのまま横になっていると母がきたので、私は横になったまま今までのことを話ました。
しかし当然ながら、母はそんな話を真に受けてはくれません。
「何言ってるの、夢でもみたんじゃないの。馬鹿なこと言ってないで、それより荷物を運ぶのを手伝ってよ」
これで終わりです。

そうは言われても、私の脱力感や息苦しかったことは夢のような感じがしないのです。
実際に体に力が入らず、しばらくは母の手伝いをすることは出来ませんでした。

その後は同じような体験をしたことはありませんが、いったいあれは何だったのだろうと時々考えてしまいます。

狐の神社に何か関係があるのかな、と思い返してみても、子供の頃には神社に行くこともなく、遊んだこともありません。
もちろん神社でいたずらなんてしたこともありません。
家族に話しても全く相手にされていませんが、確かに体験した私の怖い体験でした。

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