恐怖の泉

実話系・怖い話「津波を被った職場の怪奇現象」

私の職場は宮城県の某所、沿岸部からほど近い場所にあります。
当然ながら、あの東日本大震災で津波の浸水被害にあっております。

私の入社は大震災後だったのですが、当時はやはり大変だったようです。
いやむしろ、大変ではない方はいなかったのかもしれませんが…。

事務所の外壁には、津波がここまできましたという看板が貼ってあります。
しかしその看板が無くとも、津波を被った部分は壁の色が黒く変色しているため一目瞭然です。
高さにしておよそ3m。建物の2階まで押し寄せた波を想像すると、生きた心地がしません。

そしてやはりというべきか、職場では怪奇現象の話が絶えません。

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例えば私が仕事で1人残業をしていると、どこからか女の人の声?のようなものが聞こえることが多々あります。
「う…う~…」
という感じで、私はてっきり機械の音だと思っていたのですが、この前帰り支度をしていて全ての機械を停止した後にも聞こえました。
後日この話を同僚にしてみると

「オレも聞いた事あるよ。」
「人影も見た。」
「夜、事務所で残業していると誰もいないのに足音聞こえるよ。」
「風もないのに、神棚のお札が吹っ飛んだ事がある。」

と、皆何かしらの体験をしていてビックリしました。

この前なんかは、終礼の時間なので荷物の裏にいた方へ声をかけたのですが、誰もいませんでした。
社員は既に全員表に集まっていて、そんな所に人がいるはずがなかったのです。
あの人影はなんだったのでしょうか。

古くから働いている社員に話を聞いてみると、幸いにも社内で亡くなられた方はいなかったようですが、流れてきた亡骸が敷地の中央と入口に2名、発見されたということです。
私は少し霊感のようなものがあり、その場の空気と言いますか、良い場所なのかどうかが少し感じ取れます。
霊的に危険な場所だと「ここはヤバい…」といった感じでわかります。
幸い職場には悪い雰囲気がないので、悪影響のある霊ではないのかなとは思っています。
1人で夜残るとちょっと怖いですが。

あの日、一瞬にして多くの命が失われてしまったのですから、こういう怪奇現象があってもおかしくはないのかもしれません。

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