恐怖の泉

実話系・怖い話「義姉との霊体験」

主人の兄の奥様、つまり私の義姉にあたる方はとても霊感が強い人です。

義姉は子供の頃から、何かある部屋に入ると異変を感じとったり、声が聞こえたり、たまに白い人影や火の玉のような光も見ることがあるそうです。
他の人には感じないものが感じられると話していました。
霊感が全くない私としては、その話を聞くだけで少し背筋がゾゾッとなっているぐらいでした。

しかしその話を聞いてから半年後、私もついに怖い体験に遭遇することとなったのです。

たまたま義姉とスケジュールが合ったので、休みを利用して大阪方面へ遊びに行きました。
運転が好きな義姉なので、新幹線を利用せずに高速道路で車移動となりました。

行きは何事もなく、大阪での観光をしっかりと堪能することができました。
ですが帰りの道中で事件は起きたのです。

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大阪方面から名古屋方面へと向かっている途中で、サービスエリアに寄りました。
その時に義姉は何かを感じとったようなのですが、私が不安に思うといけないとの気配りから、その時は何も言いませんでした。

サービスエリアから高速道路に出ると、車の天井をコンコンと叩く音が聞こえました。
そんなに大きな音でもなかったので、気のせいか石が当たったのかな~程度に思っていました。
ところがその叩く音は徐々に強くなり、ドンドンといった感じでハッキリ聞こえてきました。

軽自動車に乗っていたのですが、乗る前に車の天井には当然何もありませんでしたし、いませんでした。
何か物が当たっているにしてはあまりに続きすぎますし、音の感じも強すぎます。
まるで誰かが天井にいて叩いているような音でした。
人が叩いているとしても、100キロ近いスピードの車の天井にしがみついて叩き続けるなんてありえるの?

明らかにおかしいと思い義姉を見ると、すでに顔がこわばっていました。
それを見た瞬間、何か霊的な事が起きていることをすぐに察知しました。

叩く音は止む気配がありません。
あまりに怖くなって
「なにこれ、怖い。一旦車を止めて確認した方がいいんじゃ?」
と泣きそうな声で義姉に話しかけると、義姉は
「車を止めたら中に入ってくるから止められない。とにかく強い心を持ち続けることが大切。弱いところを見せちゃうと、ずっとついてきちゃうから。大きな声を出して追い返すしかない。」
と言って、急に大きな声を出し始めました。
内容もかなり汚い暴言を大声で吐き捨てていました。
私もなんとか声を振り絞って、出来る限りの汚い言葉で叫び続けました。

私たちが大声で騒ぎ始めた途端、その叩く音は天井から徐々に姉のいる運転席側のサイドドアへと移動していきました。
おそらく、義姉の方が強敵だと思い攻撃しようとしたのかもしれません。
しかしそれにも負けず、義姉は強い気持ちを持って叫び続けていました。
一瞬でも弱い気持ちを見せたら負けだと言っていました。

数分後、その叩く音はピタッと止まりました。
私はまた再び叩く音がしないか、叫ぶのを止めて耳を澄ましました。
10分ぐらい経過しても叩く音がしなくなったので、ようやく深呼吸をして安心しました。

それ以降、私には全くそうした霊的体験は起きていません。
おそらく、霊感の強い義姉と同じ車内にいたことで、私にもあの叩く音が聞こえてきたのだと思います。
義姉が言うには、サービスエリアにいた霊がついてきてしまったとのことでした。
義姉自身もここまでの体験は初めてだったようですが、とにかく強い気持ちを持ち続けることが大切だと言っていました。

もう3年ぐらい前の話ですが、あの時の恐怖は忘れられずに今でも鳥肌が立ちます。

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