恐怖の泉

実話系・怖い話「霊感のある友人」

私には霊感の強い友達が2人(仮にA、Bとします)います。
その2人は知り合いではなかったのですが、2年ほど前に友達5人ほどでいわゆるコンパのようなものに参加した時、私がその2人をメンバーに誘って初対面しました。

コンパ自体はさほど盛り上がりを見せず、私たちはなんとか2次会までは参加したものの3次会はすみません…とお断りをし、気を取り直して5人でお茶へ行くことにしました。

飲み会の2次会が終わる時刻ですので、コーヒーショップみたいなところに入っても良かったのですが、5人のうちの1人が
「今無性にケーキをむしゃむしゃ食べたい!」
と言い始めました。

「それなら、夜もかなりボリュームのあるデザートプレートを出してくれる所があるよ。」

その霊感の強い友達のAが教えてくれました。
さらに付け加えて
「ただまぁ、ちょっと…アレだけど、大丈夫。私が我慢すれば問題ないない。」
という意味深な一言が…。

その時は他のメンバー全員が一瞬「ん?」と不思議な空気に包まれましたが、深く考えずそのお店に連れて行ってもらうことにしました。

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そのお店は繁華街から少し外れた飲屋街のような場所にある2階建ての建物で、建物自体は少し古びた印象がありました。
しかし紅茶とお菓子のお店ということで、その古びた感じも趣ととらえることのできそうな雰囲気でした。
まるでヨーロッパの古い石造りの建物といった感じです。

1階はショーケースにケーキと紅茶がずらりと並び、テイクアウトで買うことができます。
2階はイートインコーナーになっており、1階で買ったケーキやデザートプレートを食べることができるようになっていました。

私たちは早速1階のお店の人にお願いし、2階へ通してもらいました。
2階は私たちの前にお客さんがいなかったのか、無人でした。

1階から2階に階段で上がっていく時、何気なく私は
「いいお店知ってるねー。」
とAに話しかけたのですが、そのAはなんとも言えない表情をしていたのを覚えています。
2階に上がってからも、Aは他の4人が盛り上がりながらスイーツを食べている様子をなんとなく微妙な表情で眺めていて、終始静かな様子でした。
もともとそんなに大人しいタイプの子ではなかったので、私は変に思いました。

その後しばらくして皆で会話する中で
「Aちゃんは霊感があるんだよ~。」
と5人のなかで2人に霊感があるという話題になった時、Aの様子が一変しました。

「外に出よう!」

慌てて階段を降り、お会計をせかすA。
なんだなんだ?と外に出て話を聞いてみると、2階にただならぬ気配を感じたとのこと。
聞いてみると、もう1人の霊感がある友人Bも
「やっぱり?私も感じてた。」

それから2人が言うには、2階に男性の霊がいる。
あまり良いタイプの霊でなく、私たち5人の周りを終始まとわりついていた。
そして、私が戦慄したのはAとBが私たち3人へ言った言葉でした。

「今もね、2階の窓からめっちゃこっち見てるから、振り向いたらダメよ。確実に付いてくるから。」

霊を見たことなんて一度もない私がちびりそうになったのは、後にも先にもこの時だけです…。

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