恐怖の泉

実話系・怖い話「獣道通ったら獣がついてきた」

実話です。
数年前の大みそかの日。あとちょっとで今年も終わろうかとしていた時に友人A子から電話があり
「今からみんなで初詣行こうよ!」
と誘われました。
快諾して、すぐに友人A子宅へ向かいました。

「近くの神社、甘酒と豚汁無料らしいからそこ行こうよ」
とA子。
A子、B子、C子、私の四人で徒歩10分の近くの神社へ向かいました。

しかし着いてみると真っ暗でした。人の気配などありません。
暗くてとても不気味でした。

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B子とC子が「ここじゃなかったんだよ、帰ろう」と言い出し帰る事にしましたが、私はイタズラ心から、神社のすくそばの林の中の獣道を指さして
「あそこ通って帰ろうよ。なんか肝試しみたいじゃん」
と誘ってそこから帰ることにしました。

「キャー怖いーキャー」と、みんなで手を繋ぎながら通り抜けました。獣道を出ると、すぐに住宅街に出ます。
夜中なのでしばらく大人しく歩いてたのですが、B子が突然「ねぇ、今誰か生理中?」と聞いてきました。
みんな「いや違うよ」と返しました。
B子が怪訝な顔をしているので「どうして?」と聞くと
「なんか血の匂いがしたんだよね。だから誰か生理中かと思って…」
と返ってきました。

B子以外は誰も血の匂いなど嗅いでなかったので
「気のせいだよー怖いこと真顔で言わないでよー」
とみんなで笑い流してしまいました。
そしてすっかりそんな事も忘れて、別の神社で初詣を楽しみました。

しかし二日後くらいから、どうも人の気配を感じるようになりました。日が経つにつれ、段々と輪郭がはっきりしてくるのです。
昼夜問わず、場所も問わず、気付くと気配を感じるのです。
しかし、振り向いても誰もいません。
なのに、ずっと着いてくるのです。

昼間歩いてると私の後ろを、黒髪でぼさぼさ広がった肩ぐらいまでの長さの、白い服を着た女性がうつむきながら着いてくるのです。
バイト帰り、自転車の後ろに乗っているのです。車の後部座席にも居ました。

何もしてこないので、ほっておけば大丈夫かなと思ってましたが、ある日の夜、無性においなりさんが食べたくなりました。
しかし夜だったのでそのまま寝ました。

翌朝、昼過ぎに起きると私の枕元においなりさんが小皿に入れて置いてありました。私はその場で平らげて、妹の部屋へ向かいました。
実は妹は霊感があるからです。

「なんでわかったの?おいなりさん。」
と聞くと
「あぁ、食べた?だってこの間キツネ出てきたから。しかもずっと獣の匂いしてたし、臭かったよ。バンバンラップ音も酷かったし。だからあー連れて来やがったなと思って。」
と返ってきました。

怒られると思って内緒にしていた獣道のことも、着いてくる女のことも話しました。すると
「それ女じゃない。キツネが化けてたんだよ。あとB子ちゃんが言ってた血の匂いは獣の匂いだよ。あんたが面白がって騒ぎながら夜中に獣道なんか通るからだよ。新年早々無礼な事したから、着いてきて脅したんだよ。
まったく、いい歳して。バカ姉!
ちゃんと謝って来なよ。昼間だぞ、昼間!」
とお叱りを受け、獣道に行って謝ってきました。

その後、何もありません。

みなさんも、いい歳してはしゃぎないことをおすすめします。

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