恐怖の泉

人間の怖い話「夜勤帰り」

看護師で夜勤経験を持つものなら、変な人につけられた経験があるのではないでしょうか。
かくいう私も、夜勤帰りで見知らぬ男性に追われた経験で、とても怖い思いをした事が2回あります。

東京の千川に住んで間もない時でした。地下鉄の千川駅最終だったので、0時半頃だったと思います。
駅の階段を駆け上がるとすぐにコンビニがあります。私の当時のマンションは、そのコンビニから7分位先の住宅街にありました。
しかし電車の最終が終わると、コンビニの電気明かりを最後に殆ど明りの灯った場所が無いのです。
さらに大きな道路も深夜となると、急に車の往来が少なくなる場所でした。

駅の階段を上がりきると、コンビニから出てきた30代位の男性と目が合ってしまいました。
その眼は異様にぎょろぎょろして光っており、その瞬間
『しまった、変!』
という思いが頭をよぎりました。

信号を無視して道路を横切り、後ろを振り返ると変に思われるので、早足で自宅方面に向いました。
しかし背中に強い気配を感じたので後ろを振り返ると、男との距離が縮まっており、咄嗟に足が勝手に走り出しました。
無我夢中で走り、民家の庭を駆け上がり柵を押しのけたのを覚えています。
いつの間にかコンビニに繋がる大きな道路に出て、偶然タクシーが通りかかりましたので必死に近づきました。
タクシーの運転手さんも異常を感じてくれたのか、スピードを下げ近寄ってくれました。

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この出来事は、私の駅前マンションへの引越しを決意させました。
駅前マンションにはバスロータリーやタクシーも24時間待機しており、常に人の目がある場所です。
これでもう一安心だと思っていました。

駅前マンションに住んで2~3年経った頃の、やはり夜勤帰りでした。職場玄関に繋がる細い路地から、30前後の男性が出てきました。
JRに乗車して入り口付近に立ち、外を見ていると…電車の窓ガラスに映った男性の姿が、さっき細い路地から出てきた男性に似ている事に気づきました。
何か変なので、彼の行動に注意していると…私をチラチラ見ている事が分りました。嫌な予感がしました。

そこで住んでいる駅に到着した際、ドアが閉まるギリギリに飛び降り、上着を脱ぎ、わざと人通りの多い出口へと走りました。
そして物陰に隠れながら後ろを振り返ると、その男がキョロキョロしながら誰かを探している様を見て
『これは危ない』
と思い、交番のある東口に出る事にしました。
私の住んでいる街が相手に分かってしまったので、次はこの駅で待ち伏せされる可能性もあります。
どのような目に合うか分らないので、頼りは交番だと思ったのです。改札を抜け交番入り口まで一気に走りぬけました。
交番で男の特徴やらを話してみると、どうやら変質者として出没している男のようでした。

看護師は若い人が多く、こんな経験は普通なのかもしれません。ですが、10年以上経った今も忘れる事が出来ません。
平和な日本だといえ、深夜に女性1人で歩く際は十分にご注意下さいね。

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