実話系・怖い話「友人Aの能力」
私が学生時代に体験した、怖くて忘れられない話をしたいと思います。
今からおよそ5年前、友だちの家に泊まりに行くことになりました。メンバーは当時仲のよかった友だち3人です。
その中にとても霊感が強い女性の友達(仮にAとします)がいました。
泊まりにいった友だちの家は田舎で外灯も少なく、コンビにまで徒歩で30分もかかるような場所でした。
私たちがその友だちの家に着いたのはもう夜で周りは暗く、どこになにがあるのか地元の人ではないとわからないような時間でした。
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家で30分ぐらいみんなでおしゃべりをしていると、ふとAが言いました。
「ここの家って幽霊出る?」
と。
その家は友だちの実家で家族も住んでおり、その友だち曰く
「俺は霊感はないが、母と妹は霊感があって何かを感じている」
と言うのです。
Aは「やっぱり」といい理由を説明してくれました。
Aは普段はあまり幽霊などは見ないそうなのですが、近くに霊感がある人がいると見えるようになり、さらに霊感が強い場合は幽霊と対話したり追い払うことができるといいました。
さらに人間のオーラが見えて、今悩んでいることやその人の根本的な性質のようなものも見えると言うのです。
早速私たちはオーラの話に食いつき、各々オーラを見てもらいました。そして解説してもらったところ、見事に的中。半信半疑だった私ではありましたが、ちょっと認めるしかないほどの内容でした。
その後買い出しのため、私と男友達のBでコンビニに行くことになりました。徒歩30分かけてコンビニへ行き、帰りに公園で少し休憩。そこでBとたわいない話をしていてふと電柱を見ると…
電柱の根元に、人間ぐらいの大きさの黒い影が見えました。
影だけがそこにあったのです。
しかしそのときは酔っていたせいもあり特に気にせず、Bとしゃべりながら家に戻りました。
家に戻るとすぐ、Aは
「あんたらいらんとこ行ったやろ」
といいます。心当たりといえば公園しかなかったので話をすると、実は公園の横には廃病院があると言い出すB。
そんなものがある場所だったら先に言えよ…と思いながらも会話していると、ふと私の頭が痛くなってきました。しかし少し違和感がある程度だったので気にせず黙っていました。
するとAが
「なぁ…頭痛くない?」
と聞いてきたので驚きました。私は気にならない程度だったので「別に大丈夫」と答えました。
それから1時間程度して再び友人2人がコンビニへ行き、家には私とAの2人っきりになりました。
するとAはまた
「頭痛いの治った?」
と聞いてきます。そう言われてみれば、頭痛はいつの間にか治まっていました。
「あぁ、治ったよ」
私が答えると、Aは
「やっぱり」
一体どういうことか尋ねると、A曰く
「だってあんたがコンビニから帰ってきた時、あんたの後ろについてきとったもん。けどもう大丈夫やで。私が追い払ったから!」
Aの話が本当なのかはわかりませんが、思い当たる節はありました。
電柱にいた影、頭痛。私は今まで体験したことない恐怖につつまれました。
私についてきたのはいったい何だったのだろうか。もしかしたらその影が…。Aはそれ以上答えてはくれませんでした。
ちなみに余談ですが、この体験をした後の数ヶ月は黒い影を見てしまうことがあり、決まって同じような頭痛に襲われました。
今では影を見ることもなく、当時の友人達とも会っていませんが、忘れられない出来事です。
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