恐怖の泉

人間の怖い話「下着泥棒に入られた」

私は以前泥棒に入られたことがあります。姉とアパートで2人暮らしをしていた時でした。

あれは大雨の降った日でした。私は朝から姉とショッピングに出かけていました。
朝は天気もよく晴れていたので、洗濯物は外に干したまま出かけてしまいましたが、お昼から急な豪雨となりました。
布団のシーツなどを外に干してきてしまったけど、もうこんな大雨じゃ今から慌てて戻っても無理だねと諦め夕方帰宅すると、部屋の中がめちゃくちゃに荒らされていました。

スポンサーリンク

最初は地震でも起きたのかと思いましたが、タンスやら机やらの引き出しが全部空いていたので、もしやこれは泥棒ではないか!とすぐさま警察に電話をして、おまわりさんがやってきました。
事情調査を取られ、何か失っているものはありませんか?と聞かれて調べてみるも、金目のものは特に置いていなかったという事もあり、これといって盗まれているものはありません。
部屋の中にはパソコンや時計のような物も、そのまま置いてありました。

ところが!なんと下着がありません。あるはずの姉と私の下着類のほとんどが、どこにも見当たりません。
幸い私は高価な下着をそれほど持っていませんでしたが、姉はランジェリーなど諸々海外の高級な下着を集めるのが趣味で、たくさんの下着を盗まれてしまったのです。

その泥棒は洗濯物で死角になった庭先のドアから侵入したようで、鍵の部分のガラスを割って入ってきたとのことでした。
私のアパートの部屋は1階ですが通りっ端に面しており、空き巣が入りにくい構造なのですが…干してあったシーツで死角が出来たようです。
それと大雨の中、取り込まずに干したままの洗濯物はひと目で留守だとわかるものだと警察の方に言われました。また通りっ端ということもあり、普段からここに女性2人が住んでいると知っていての犯行だと思われます、とも言われました。

今まで外に下着を干していたこともあるのですが、一度も盗まれるようなことはなかったので不思議な感じでした。
警察は「この近辺で多発しているかどうかなども含め、下着泥棒を取り締まります。もし犯人が捕まりましたら、すぐご連絡します」と言って帰って行きました。

めちゃくちゃに散らかった部屋は、当たり前だけど警察は片付けてはくれないんだな…と思いながら、姉と部屋を片付けました。
とりあえず、金目の物が取られてなくて良かったねと話しながら、1、2ヶ月が経ったときのことでした。

警察から連絡が来て、どうやらあの時の下着泥棒が捕まったらしいのです。
他でまた下着泥棒を働いて御用になったらしいのですが、その犯人は今までに何度か捕まったことがある常習犯のようでした。
そして押収された下着等を取りに来て欲しいと言われたので、姉と警察署へ出かけていきました。

通された警察署の一室には、大量の下着が置かれていました。そこにある下着全てが犯人の盗んだものだというのです。ものすごい数でした。
そして「これがお宅の下着だと思いますが間違いないですか?」と聞かれ、下着の山の一角を確認すると、間違いなく自分たちの下着でした。
どうして私たちの所有物だと解ったのだろうと疑問に思ったところ、警察から説明がありました。

「犯人はあなたたちが写っている写真も一緒に盗んでいったようで、その写真が下着の入ったビニール袋から一緒に出てきました。」

なんとも気持ち悪い気分になり、私も姉も戻ってきた下着類はすべて捨ててしまいました。
姉の高級ランジェリーたちは捨てるにもかなり惜しまれましたが、やはりしばらくその犯人の家にあったのかと思うと、洗濯してまた身につける気にはなりませんでした。
それにしても写真を見つけて一緒に盗んでいくなんて、なんとも気味の悪い怖い犯行だなと思いました。
ちなみに下着はないですが、写真はまだあります。

スポンサーリンク

TOP