恐怖の泉

人間の怖い話「セクハラおじさん」

エグい話になりますが、若い頃、私はいわゆる「心をサポートしてくれる場所」に2年ほど通っていました。
そこには世代も状況も様々な人たちが集まって、カウンセラーと遊んだり楽しいことをしたりする場所でした。
今は日本にもそういう場所がたくさんあるかと思います。

私も最初の頃は、はしゃいだり楽しい気分で過ごしていたのですが、そこである年上の男性に出会いました。
そこのカウンセラーではなく、私と同じくそこに通うお客さんです。
20歳そこそこの私から見たら、いわゆる「男の子」というよりは「おじさん」とも言える年齢の男性でした。

何度か男性と一緒に遊んで楽しくしていたのですが、ある日彼と電話をしていると私に妙な会話をふってきました。
最初はあまりにもよくわからなすぎて、頭の中が「???」になったのですが…それはいわゆるテレクラのような、過激なセクハラ発言の連発でした。

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私は当時20歳前後とはいえ、まだまだ見た目が幼いだけでなく世間知らずと言われるようなタイプでした。
なんだかよくわからなくて、しつこいので嫌だなと思い、カウンセラーにその男性のことを相談をしてみることにしました。
打ち明けてみると、そのカウンセラーは

「そんなことがあったんだね。…でも、ね?あの人はすごくいい人だと思うよ?」

とあまり取り合ってはくれませんでした。
しかしまだモヤモヤしていたので、もう一度違う日に詳細をさらに打ち明けてみました。
するとカウンセラーは

「そうかぁ。確かにちょっと…ああ!そっか!あなた、この前男の子みたいになりたいなーってその人にも言ったんでしょ?だからじゃない?あぁ、そっかー。あの人、気を使ってくれたんだ。やっぱりあの人、優しいなぁ~。」

と、本当に心から頷いた様子で何やら納得していました。
ちなみに確かに私はかなり男勝りな性格ですし、中性的な外見だといわれることが多いです。男の子になりたいなとも言った覚えもあります。
ともあれ、私の気にし過ぎかなと思ってもう何も言わないでおくことにしました。何もなかったことにしようと思ったのです。

その後、その施設に通う人たちの中から、信用できる人を選んで仕事を任せようという話になりました。
すると私が相談していたカウンセラーの推薦で、私にセクハラ発言をしていたおじさんが頼られました。
セクハラおじさんは、他のカウンセラーからも「すごく優しい人だよね」「あの人がいると、みんな明るくなるよね」と誉められていたので、満場一意での決定でした。

私へのセクハラおじさんの仕打ちは、その後も続きました。私は耐え切れなくなり、その施設へ通うことを止めました。
その後別の場所でカウンセラーに相談してみたら、その男性はあなたに訴えられてもいいほど酷い内容だとのことでした。

それから数年後、その施設の情報を何気なく見てみたら、あのセクハラおじさんのことが掲載されていました。
それは彼が
「苦労しているけど、がんばった”立派”な男性」
として、たたえられている内容でした。

私はセクハラおじさんの発言のおかげで、今もなお具合が悪く、仕事もできる状態ではありません。男性との会話が出来なくなってしまったのです。
そして私は母親にこの前
「お母さん。私ね…将来、男の人と結婚しないかもしれないんだ。でも、別にいいよね?」
ということをようやく打ち明けることができました。
すると母は、やさしい表情で「いいよ」と言ってくれました。

人間というのは一見してはわからない、裏の表情もあるのだなという怖さと、理不尽さを痛感した体験でした。

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