恐怖の泉

実話系・怖い話「霊感の強い家系」

私の母方は霊感が強い家系で、皆が何度も心霊現象というものを体験しているそうです。

例えば、母は三人姉妹なのですが母の妹(私からして叔母)が沖縄の戦争の跡地などに旅行を兼ねて観光へ行った際には、帰ってくると体中が重ダルくなったそうです。
異変に耐えかねて数日後に有名なお寺へ見てもらいに行ったら、戦地で亡くなった方の霊が大量に憑いてきていたなど、昔からそういった話を沢山聞かされていました。

その中でも、母から聞いてゾッとした話があります。

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まだ私が産まれる前で、母のお腹の中にいたときの話です。
母は小柄で体が丈夫な方では無かったため、よく体を休める為に横になったり寝たりをしていたそうなのです。

私の実家は2階建ての一軒家で、母や父は主に2階で生活していたのですが、平日の昼間は皆仕事などで出払っているため妊婦である母以外は家にいることはほぼない、と言っていいような状態でした。
しかし、母以外誰もいないはずなのに家の階段を上がり降りする足音や、話声などがすることがよくあったそうです。

昔から霊感があった母は多少の事では気にはしなかったそうですが、ある日玄関のドアが開く音をしっかりと聞いたそうです。
様子を見に父が仕事の合間を見て帰ってきてくれたのかと思ったそうなのですが…いくら待っても階段を上がってくる足音も、母に声をかけてくるような事もありません。
さすがに不審に感じた母が様子を見に階段を降りて行ったところ、そこには誰もいなかったそうです。
確かに玄関のドアが開いた音がしたのに、人の気配もなければ誰もいない。
よくよく考えるとドアの開く音は聞こえたのにもかかわらず、閉まる音は聞いていないとの事でした。
その夜、父に昼間に帰ってきたかと念のため尋ねてみたものの、案の条「帰ってきていない」との事だったそうです。

別の日には、母がベッドで横になっていると母の周りを男の人がぐるぐるとまわっている事もあったそうです。
酷い時には、そういった霊が母の体の中に入ってこようとしたのだとか。
霊が体に入ってくる感覚というのも、足先から徐々にグググッと押し上げるようなものだそうです。
私は経験したことがありませんが…。

そんなさまざまな心霊体験をしてきた母ですが、私を産んだとたんにパッタリとそういった霊現象がなくなったそうです。
私が産まれた途端というのがとても不気味で、今でも母の体験した話を聞くたびにゾッとします。
そのうち私の身にも…。

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