恐怖の泉

実話系・怖い話「光る猫」

私が小学生のころ、今から20年以上前の話ですが、3学年上の先輩と一緒に掃除当番で放送室の部屋の掃除を行っていました。
その時、目の前に急に光るものが現われてびっくりしていましたが、もしかしたら自分にしか見えてないのかと思い、何も無かったかのように掃除を続けていました。
そうしたら、その先輩が話しかけてきたのです。

何かと思ったら、さっきの光ってる猫見た?と言われたのです。

先輩にもはっきりと見えているということがわかったので、見ました。と答えました。
すると、先輩がその日の朝に校庭で猫が死んでいて、先生達が学校の敷地内に埋めていたというのです。
学校内をうろうろしている猫が居ましたが、その猫が死んでしまって化けて出てきたと、先輩が真剣な顔で説明してくるのです。
確かに、猫が校内を散歩している姿は何回も見ました。が、数日間はその姿も見当たらなかったので、どこかに行ったのだろう程度にしか考えていませんでした。

その話をしている最中にもまた光る猫が現われ、何かを教えているかのように先輩の足元に擦り寄ったのです。

最初は甘えているだけなのだろうと思いあまり気に留めなかったのですが、服を引っ張るような仕草をしたので、2人で猫のあとを付いていくと池に居た鯉が全匹死んでいました。
直ぐに先生に報告しましたが原因不明で、池の水を抜いて掃除することになりました。
いつの間にか、光る猫は消えていました。

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そして数日後、再び光る猫が現われたのです。
この前と同じように先輩の足に擦り寄って、再び服を引っ張りました。
私たちはまた2人で猫の後を追いかけると、今度は遊具の前に止まって座ってしまいました。
先輩と遊具の周りを見回しましたが、特におかしなところも無かったので気のせいかと思い、掃除に戻りました。
光る猫は3日間くらい同じように遊具の前に座り、こちらに何かを訴えているような気がしました。しかし都度遊具の周りを確認してもおかしなところはありませんでした。

そして4日後。
クラスメイトがその遊具を使って自殺してしまいました。

身近な友人が自殺してしまったのはすごくショックでした。しかしそれ以上に、光る猫が事前にそれを教えてくれるような仕草をしていたのに、何も感じることが出来ず放置してしまったことがとても悔しく、私は先輩と一緒に泣きました。
しばらくしてから遊具は取り壊され、みんなも平常を取り戻しいつもどおりの日常に戻っていきましたが、先輩と私の2人はショックを引きずり、立ち直ることが出来ないでいました。

しばらくすると、再び光る猫が現われました。
今度は放送室の中を走り回り、何か起こることを教えてくれているようでした。
もうこれ以上は何か起こるのは嫌だと思って先輩と放送室をいろいろと調べてみましたが…結局何も見つからず、光る猫が出た意味もわからないまま掃除の時間が終わってしまい、私たちは放送室を後にしました。

その翌日の休みのことでした。
台風が直撃したことで放送室の窓ガラスが割れ、室内に散乱する出来事が起きました。
私は先輩と
「光る猫はこのことを予見していたのか?」
と話をしながら、放送室の掃除や後片付けを手伝いました。

その後放送室の掃除当番から外れて、教室の掃除当番になると先輩とも会う機会がなくなり、光る猫も見なくなりました。

それからおよそ1年後に先輩の卒業式があった時、話す時間があったので光る猫の話をしましたが、先輩もあれ以降光る猫を見なくなり、周りで不思議なことも起きなくなったと言っていました。

20年以上経過した今でも、友人の死とそれを予知するかのように教えてくれた光る猫の存在というのは心の中に焼き付いています。
光る猫が一体何だったのかは知る由もありませんが、とても不思議な体験でした。

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