恐怖の泉

人間の怖い話「信号無視した車」

私の友人が車を運転していた時の話です。
大きな道路を走行していて交差点に差し掛かると、信号がちょうど青から黄色に切り替わるところで、ギリギリ渡れるなと思った友人はそのまま直進しました。
すると信じられないことに、赤信号で待っていた車が目の前に出てきて車が接触。事故が起きてしまったのだそうです。

まさか車が信号無視して交差点に入ってくるとは思わず、スピードを出していた友人の車は大破。幸いにも友人は多少の打撲で済みましたが、警察の方が「よく無事だったね」と言うほど酷い事故だったそうです。
肝心の信号無視した車は側面が壊れましたが、乗っていた女性2人は無事だったようです。

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事故の原因は明らかに信号無視したその車が悪いので、友人が降りて話をしようとするも、その女性たちは電話をしていて車を降りる気配もなく、窓を叩いてもしらんぷり。
友人は「なんだ…?」と不思議に思いましたが、とりあえず警察が来るまで待つことにしました。

ほどなく警察が来て状況を説明しようとすると、一台の黒い高級車が止まり、中からいかにもな風貌の方が登場。それと同時に信号無視した女性たちも車から降りてきます。
どうやらそちらの筋の方たちなようです。

友人は警察に
「この車が信号無視してきたんですけど…」
と説明すると、その女性は
「は?信号無視したのはそっちでしょ?」
と信じられない切り替えしをしてきました。
いかんせん証拠がないためしばらく言い争いになりましたが、友人はそれよりも無言で圧力をかけてくる、いかにもな風貌の男が気になって仕方がなかったと言っていました。

結局お互いの主張が食い違って話は収まらず、後日話をしようということになります。
その際、友人が警察に
「あそこにいる男性、なんか8○3さんみたいですね…」
と聞いてみると、警察は
「恐らくそうですね。何かありましたらご連絡下さい。」
との返事。
面倒なことになったな…と思ったそうですが、その友人も気が強い性格なので、絶対に負けないと思ったそうです(笑)

そこからは電話でのやり取りとなり、いかにもな男性の方と交渉となったそうですが、もう相手の主張はめちゃくちゃの一言です。
証拠がない事をいいことに、
「悪いのはそっちなんだから、金は払わない。むしろお前のせいで事故になったのだから、金を払え」
と圧力をかけてきて、話合いは平行線。友人は車も廃車となった上、病院に通ったためお金を請求しようとしても全く受け入れてくれません。
友人はとりあえず自腹金を出して事後処理をし、そんな状態が1ヶ月ほど続きました。

しかしその後、その場に止まっていたトラックのドライブレコーダーが決め手となり、相手の信号無視が証拠として判明。
その後は掌を返したように非を認め、賠償金やら治療費やら対応してくれて解決したようですが、その時相手の男から
「お前なかなか度胸あるじゃねえか」
と言われたそうで、今では友人のネタ話となっています。
「でも証拠動画がなかったら泣き寝入りしかなかった…」という友人の一言が、大変さを物語っていました。

ちなみにこの事故が起きたちょうどその時間、友人の実家の仏壇にあった位牌に突然ヒビが入ったと、後に友人の母親から聞きました。
大きな事故だったのに友人が無事だったのは、ひょっとしてご先祖様が守ってくれた部分もあるのかな…。

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