恐怖の泉

人間の怖い話「会社の同僚」

これは、私が以前働いていた会社の同僚の女性の話です。
彼女は私より1歳年下で、後輩でした。明るく愛想も良いので可愛がってあげようと思い「何か困った事があったらいつでも相談してね。」と声をかけたりしていたのですが…。

次第に彼女は私に頼る様になり、ランチも一緒に行き、プライベートの話を私にしてくる様になりました。
彼女はある時なんて事ないという口調で

「私、彼の携帯を必ずチェックするんですよ。それで前に知らない女の子からメールが来てて、彼にバレない様に追い払ってやったんです。」

と笑顔で言ってきたのです。

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「どういう風に?」
と訊くと不気味な笑みを浮かべ
「その子のメアドを抜いて間違えたフリをしてメールしたんです。で、仲良くなってからおびき寄せて会う約束をして、当日の予定よりも早い時間に彼を待ち合わせ場所に呼んで、その子が来たタイミングでわざとイチャつく姿を見せたら、泣きそうな顔して居なくなりました。それ以降は一切連絡来なくなりましたよ。」
と言い、私は彼女が怖くなりました。

彼女の執着心、復讐心は相当なものですし、その子と仲良くなってから突き落とし、用が済んだから知らん顔をするという神経が恐ろしくなったのです。
明るく笑顔を振りまく彼女に、このエピソードを聞いてから警戒する様になりました。

その後、彼女は常に私に付いてくる様になり、会社からの帰り道も一緒に帰ろうとして来る様になりました。
それだけならいいのですが、彼女は私のプライベートに興味を持ち始めたのです。

私の彼の話、育った環境の話、親の話…色んな事を根掘り葉掘りしてくるのです。
そして次第に私にライバル心を持つ様になったのか、私を蹴落とす様な事をしてくる様になりました。
上司に私の評価を下げる様な事を言ったり、社内の人に嘘を言いふらしたりと、わざと仕事上でいじわるをする様になったのです。
恐ろしいのは、私に対しては今までと変わらず笑顔を振りまき、甘えた声で話しかけてきていたのです。

私はその会社を辞めたのですが、今でも彼女からメールが来ます。

私にとって怖いのは霊ではなく生きている人間です。

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