恐怖の泉

実話系・怖い話「忽然と消えた竹とんぼ」

私が小学生の時に起こった不思議な話です。

図工の授業で竹とんぼを作ることになりました。その小学校では、図工室という部屋がないため図書室で工作をすることになったのです。
私は、初めて握る小刀で不器用ながらも竹とんぼを作りました。かなり時間を掛けて制作しました。2時間以上は作っていたと思います。

授業も終わりに近づき、ほとんどの生徒が完成したため、先生が
「完成した竹とんぼを飛ばしてみましょう!」
と言いました。
一斉に生徒達は、竹とんぼを飛ばしました。

みんな上手に出来ていて、次々に天井まで飛んで落ちてきては、再び飛ばすという繰り返しをして楽しんでいました。
私はまだ羽を削るのが荒くて、羽が厚かったため完成していなかったのですが、飛ばないだろうな…と思ったものの、まだ出来ていないとうかっこ悪さが嫌で一応飛ばしてみることにしました。
しかしながら案の定、竹とんぼはすぐに落下し本棚の下の段に当たってしまいました。

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ところがそこで不思議なことが起きたのです。
床に落ちているはずの竹とんぼがありません。

床一面を探しましたが、ありません。当たった本棚にはギッシリと本が立てられいますので、空いている空間は上部の本と本棚の5cm位の隙間しかありません。
そんな狭い所に作った竹とんぼが入りそうにもなかったのですが、一応隙間を除き込んでも竹とんぼはありません。本棚から本を全部抜き取って探してもみましたが、やはり竹とんぼはありませんでした。

その後私や友人たちでくまなくその本棚の周辺を調べましたが、竹とんぼが出てくることはありませんでした。

しかし思い返してみると、竹とんぼを飛ばして本棚に当たった瞬間、パッ消えたような感じがしました。一緒に竹とんぼを飛ばした友達も
「確かに、ここに当たったんだけど…本棚に入るというか消えたような感じだったね」
と言っていました。

結局、その竹とんぼは出てくる事はありませんでした。
一体どこに消えたというのでしょうか…。

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