恐怖の泉

実話系・怖い話「帰り道で憑いてきた」

私が高校3年生の時に体験した話です。

これはアルバイトを終えて帰り道についている時の話です。
電車賃がもったいなく2駅程度だったので歩いて帰っていました。午後10時すぎでした。
帰り道に人気も少なく自転車と人だけが歩けるようになっていて、車道は別のところを走っていて、U字の道で坂になっています。その横に墓地がありました。

部活からアルバイトで疲れ、だらだら帰っていた私はその坂道にさしかかりました。
前から薄気味悪い場所だとは思っていたので、さっさと通り抜けようと思っていたのですが、坂道の上からカップルが歩いて来るのを見かけふと思いました。

「あいつら脅かしてやろう」

なぜこう思ったのかは未だにわかりません。何かに誘われていたのでしょうか…。

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カップルは私に気づいておらず、その隙に私は墓地へ入っていきました。
そしてその時来ていた黒いパーカーのフードをかぶり、道に対して背を向けてうつむいて立っていました。
徐々にカップルが近づいてくるのが話し声でわかります。

その時でした。
「ひっ」
と言って女性が走って逃げて行きました。
私は振りかえり走って行く女性を見ました。内心「大成功だ」とにやにやしていたのを覚えています。
しかしフードを取りながら顔を前に戻した瞬間、異変は起こりました。

目の前のお墓のむこうに、誰か立っているのです。

いつの間にか、白い服を着た女性がこっちをむいて立っていました。ついさっきまでは誰もいなかったのに…。

パニックになり私は走り出しました。カップルの女性ももしかしたら、この白い服の女性にびびって逃げていったのかもしれません。

その日はなんとか無事に家にたどり着き、私もこういう体験は初めてではないので落ち着きを取り戻しました。
「あー怖かった」と怖い話が苦手な弟に無理やり話をしたりしてたのですが、その夜異変は起こりました。
金縛りです。

これも私にとっては珍しくはないのでまたかと思っていただけでした。しかしこの金縛りは、それから毎晩続きます。
それは決まって深夜の2時でした。

一ヶ月がたち、私も疲れ果てていました。そんなある日の金縛りで、いつもは目があかないことが多いのですが、その日は目があきました。
体は動かないが目を動かしてみると、あの時の白い女性がすぐ近くにいました。

私は気を失ったのか、気づけば朝でした。

その後いきつけのお寺ですぐに御祓いをしてもらい、塩を持ち歩くようにしました。それから異変はなくなりましたが、憑いてくるって怖いですね。

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