恐怖の泉

実話系・怖い話「夢と現実」

これは私が体験した話です。
大学に入学し、アパートを借りて一人暮らしをすることになった私は、なるべく大学に近く家賃の安い物件を求めて不動産を訪ねました。
色々と話を聞いたところ、大学から目と鼻の先にあるアパートが見つかり、何とその辺りの相場よりも3万円ほど安く借りれるということで即決でした。

とても良い部屋を借りれたと上機嫌で、しばらくは何不自由なく過ごしていたのですが、ある時から毎晩のように悪夢にうなされるようになりました。

その夢の中での私はいつもベッドで横になっていて、玄関を強く叩く音がして怯えています。
はじめは良かったのですが、同じ夢を毎日のように見ますし、次第に玄関を叩く音も大きくなっていくので不安が募っていました。

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そしてある日、いつもと同じくその夢を見ていると、いつにも増して激しくドアを叩かれ、ドアノブもガチャガチャとやっています。
嫌な予感はしていましたが、それは現実となり、とうとう玄関を破られてしまいました。
そして、何者かが部屋へとドカドカと入り込んでくるのです。

あまりのリアルさにそれが夢なのか現実なのか分からなくなり、私は大声をあげて逃げ惑いました。どうやら、その何者かはナイフを持っているようで
『このままでは殺される!』
と思った私はベランダへと逃げました。

もうそれ以上逃げ場はなく、飛び降りることでしか殺人鬼からは逃れられません。
ナイフを持ったまま近づいてくる殺人鬼を前に、目をつぶってやり過ごすことしか出来ませんでした…。

気がつくと目が覚め、朝になっていました。良かった夢だった~と思ったのも束の間、私が目覚めた場所はなんとベランダだったのです!
あの出来事は本当に夢だったのでしょうか?そう考えずにはいられません。

もし夢の中で、ベランダから飛び降りていたらどうなっていたのでしょうか…。

私はすぐ不動産に連絡をし、もちろん引っ越しました。
あの部屋で過去に何かあったのかは怖くて聞けませんでした。
皆さんも、部屋選びは慎重に。安すぎる部屋は何があるかわかりません。

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