恐怖の泉

実話系・怖い話「憑いてきた老婆」

これは私がまだ高校生の頃の話です。
母が霊感のある家系だったためか、私は昔から良くその類いのものを見たり、感じたりしていました。この体験もその中のひとつです。
当時、我が家では夜食をよく食べており、それは外食というのがお決まりでした。

その日は、父の気分でラーメンを食べに行くということになりました。
我が家は田舎の山の中にあり出掛ける際は必ず車を使っていたのですが、その時も父の車で出掛けました。
私は運転席側の後部座席に座って両親の会話には入らず、外を眺めていました。

その時、畑の真ん中にポツンと一人でたっているおばあさんがいたのです。
時間は夜10時を過ぎて辺りは街灯もなく真っ暗。田舎のことですから周りには民家もなく変だなと思いながらも、農作業の道具でも昼間に忘れたのだろうと思い気にすることもありませんでした。
今にして思えば車で来たにしても周辺に車もなかったし、不審な点は一杯あったのですがその時は全く気にならなかったのです。

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そのままラーメンを食べて家に帰宅し、就寝となりました。
はじめはいつも通りぐっすりと寝ていたのですが、深夜2時を過ぎた辺りで突然、金縛りにあって目が覚めたのです。

一ヶ月に一度くらいの頻度で金縛りにあっていた私にとっては「またか」というくらいのできことだったのですが、そこからが今まで体験したことがない出来事の始まりだったのです。

金縛りにあってしばらくは単純に動けないだけでした。しかし、ふと足下をガシッと誰かに捕まれた感覚になりました。
そういったことは今までなかったので私は「は?」と意味不明になりながら、動くこともできずじっとしていました。
そうするとその手の感覚は徐々に上に上に這い上がってきました。

腰辺りまで来たときに恐怖が生まれてきて、パニックになりはじめました。
頭の中では布団の中を見るべきか辞めるべきか…と自問自答を繰り返していましたが、見なくてもこのままだとどうせ御対面になるなら自分のタイミングで見てやろう!と、動く腕で勇気を振り絞り布団をめくったのです。

その瞬間、私はそれを後悔しました。
めくった布団の中にいたのは、先程畑に立っていたおばあさんだったのです。

その表情は怒っているような無表情のようななんとも言えない顔をしていました。ただそれだけで私はそこまで怖いとは感じません。
私の怖さの理由は、そのおばあさんの手には草刈り用の鎌が握られていたことにあったのです。

しばらく見つめあったのですがその後どうしたら良いのかわからず、めくった布団をおばあさんごとかけ直し見なかったことにしようと思いました。
ちなみに金縛りは?と思うかもしれませんが何故かその時は解けたのです。

布団をかけて何もなかったかのように目を閉じたのですが、先程目があったこととさらにまだ腰辺りにある手の感触が何もなかったようには思わせたはくれませんでした。
しばらくしてその手がまた上に這い上がって来るのがわかりました。
このままだとまた顔を合わせることになると思った私は、母親から教わっていた呪文のようなお経のようなものを必死で唱えました。その後その呪文が真言宗で悪い霊などに使われる真言だったそうです。
その真言を唱えて10回たつかたたないうちに布団の中の重みが一気になくなりました。

まだいるのでは?と思いながらも私はこわごわ布団をあげましたが、おばあさんはきれいに消えていました。

その後聞いた話によると、私が幽霊を見た畑かはわからないのですが、その周辺の畑の持ち主でその日にお葬式をした人がいたらしので、もしかしたらその人だったのかもしれません。
その出来事があって以来、私は頻繁に幽霊と出会うことになりました。

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