恐怖の泉

学校の怖い話「トイレのオバサン」

学校のトイレって怖いよな、怪談に事欠かない舞台だと思うよ。
昔の学校のトイレっていうのはやけに薄暗くて、それでいて何となくひんやりした空気がある。
特に放課後ともなると人の気配が無くなって、その空気の冷たさが際立つんだろうな。

最近は綺麗なトイレの学校も多くあるらしいが、どんなに明るい色のタイルを張り付けても、どんなにモダンなデザインの手洗い場を設けてたとしても、あの学校のトイレにある独特の空気や恐怖は簡単に拭いきれるものじゃないと思うんだ。

うちの学校のトイレも、当時としては珍しく綺麗だった。
前年に車いすの為のバリアフリー化が行われ、その一環だったと思う。
けど旧校舎のトイレまでは手が回らず、そちらは相変わらず陰気な雰囲気だった。

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こちらの陰気なトイレには噂があって、放課後に一人で用を足していると便器の中から河童の手が現れて、中へ引きずり込まれると言うものだった。
水洗トイレにどうやって引き込むんだろうかとの疑問もあったが、小学生にはトイレに河童と言うだけでも怖い物で、皆そのトイレをなるべく使わないようにしてた。

ある日クラブ活動でちょっと帰りが遅めになった時、職員室の方で女の子が何人か泣いて居たことがある。
聞き耳を立てていると、トイレで変な人を見たと言うのだ。

「ああ、あの旧校舎のトイレってやっぱり何か出るんだな」と一人で納得していたが、どうも違うらしい。
変な人を見たのは新しいトイレの方なんだって。

その子がトイレに入ると、手前にあるトイレの扉が閉まってて開いてるのは奥の方しか無かった。
仕方なく一番奥の扉が開いてるトイレに入ろうとしたら、オバサンが和式便器にしゃがんだままコッチを見ていたらしい。

一瞬、使用中だったんだと思ったその子は謝って別のトイレに行こうとしたんだけど、よく考えれば扉を閉めないで用を足す人が居るだろうか…?という疑問が湧いた。
変な人がいたなと思って、先生に言いに行こうとトイレを出た時、そのオバサンが個室からしゃがんだまま出てきたのだという。

オバサンはしゃがんだまま、ずりずりって摺り足で女の子の方に近づいてきて、あまりの恐怖に女の子は逃げ出してきたのだとか。

ただの不審者だとは思うんだけど…なんか見たっていう女の子が言うには、そのオバサン、腰から下が無かったって言うんだよね。

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