恐怖の泉

後味の良い怖い話「夢に出てきた父親の言葉の意味」

数年前の事、知人の夢に亡くなった自分の父親と、やはり亡くなった姉の二人が出てきたのだそうです。
そしてその夢のなかで、父親がしきりと「捨てるな、捨てるんじゃないぞ」と、ブツブツと怒った口調で言うのだそうです。
一方で傍らにいた姉は一切言葉を発さず、知人は父親に向かって「何を捨ちゃいけないんだよ」と言い返して目が覚めたといいます。

亡くなった父親と姉の二人が夢に現れて意味不明な言葉を言っていた事が気になり、後日もう一人の姉の家に行って夢の経緯を話し、何か捨てたものはないのかと尋ねたといいます。
しかしもう一人の姉も別段思い当たることもなく、その夢の中での言葉の意味もわからぬまま。
そしてその数ヶ月後、夢の中に出てきた亡くなった姉の法事に出かける事になったのだそうです。

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法事を終えて会食し、その後姉たちと庭で歓談していると、姪子さんがやってきて相談があるといったのだそうです。
知人と彼の姉が話を聞くと、どうやら姪子さんの父親に新しい女性ができたらしく、自分に紹介しようとしているとのだといいます。

姪子さんは母親(夢に出てきた知人の姉です)が亡くなって7回忌が過ぎ、父親が再婚するのには別段反対はしないといいます。
しかし、その相手は出稼ぎの外国籍の女性で、国に残している旦那とはまだ分かれていない状態。いわゆる不倫の関係になっていることが姪子さんは許せずに、会うことを一切拒否しているのだとか。

知人はこの姪子さんの話しを聞き、夢で亡くなった父親が出てきていった言葉を思い出したといいます。
亡父の「捨てるなよ」という意味は、「姪の事を見捨てるな」という意味であり、なぜか後ろで亡姉が立っていたのかも理解できたといいます。

一人娘で母親もすでに亡く、一人で悩んでいた姪御さんを父親と姉が見かねて、知人の夢の中にでてきて頼んだものであったのでしょう。

しかしその外国籍の女性との関係は、知人が間に入ることもなく姪子さんが快く思っていないと悟ったのか、外国人女性は帰国して不倫の関係は終わったといいます。
今でもきっと天国で、父と姉は見守っていてくれていることでしょう。

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