人間の怖い話「年間3件」
私がイギリスに留学した時のステイ先の家主が、イギリスの某空港に勤務されている方でした。
「シーユーインナビット(ちょっと行ってくるよ)」という言葉を家族に言うと、それは「飲みに行ってくる」という意味になります。これは私も誘われて飲みにいった際に聞いた話です。
その家主とは、イギリスはどうだとか他民族国家の苦労や職場の話で盛り上がりました。
彼は空港の危険物探知から巡回警備をやっている人間だったのですが、お酒が入ったせいか、私にこう尋ねてきました。
「年間3件。これ何の数字か分かる?」
「件」を表す表現が「case(事件・症例)」なので、あまり良くないことが起こっているのだろうとは思いました。
ぼやかすような答えしかできませんでしたが、彼が笑いながら答えました。
「危険物が機内や制限区域で発見される件数だよ」
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ああ、イギリスはこんな体制なんだな~と思うことで思考を止めることもできるのですが、私がイギリスに渡ったのはアメリカ同時多発テロ以降です。
つまり、イギリスでもバスの爆破事件等が起こって警戒レベルは日本よりはるかに高いはずなのです。
そういった警戒下でも、警備の目をかいくぐって年間平均3件はあるのだというのです。
日本の体制はどうなのでしょうか。かの有名なアイザック・アシモフは飛行機にはほとんど乗らなかったそうです。
理由は、人間が整備し人間が管理している飛行機が安心できる乗り物ではない、というものだそうです。
どんなに警戒してチェックしても「漏れ」はあるみたいですね。旅行くらいは安心して行きたいものですが…。
ちょっと飛行機に乗るのが怖くなるお話でした。
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