人間の怖い話「引越し先に誰か居た」
社会人になりたての頃、仕事が多忙でなかなか家に帰る事が無い日々が続いていました。
そこで希望の立地・家賃などが当てはまった物件が出て来たという事で、今の部屋より仕事場にも近く最低限の設備だけがある格安の部屋に引越しする事にしました。
ですが、忙しさからなかなか引越しが出来ずに、契約してから2ヶ月弱の月日が経ちながらも少しずつ荷物を移動している程度でした。
さらに引越し予定日に、長期・地方出張の予定が入ってしまったので、結局すべてを引越し業者にまかせました。
事前に鍵なども渡し、最低限の設置場所や荷物置き場の指定をして出張へ行きました。
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そして地方での仕事も忙しくバタバタしているところに、突然引越し業者さんからの電話がかかってきたのです。
ビックリして要件を聞いてみると、業者が私の引越し先の部屋に行き、部屋の中に入ろうとしたら、何と別の人間が生活をしていたらしく、私の名前を名乗ったというのです。
私は出張中でいないことは引越し業者も知っていましたし、これはおかしいということで警察の方と一緒に住人の確認をしてもらいに部屋に戻ると、すでにその住人は逃げた後だったそうです。
調べてみると、部屋の窓ガラスが割られていて風が入ってこないように段ボールで止めてあり、部屋には数日間程度寝泊まりをしていた形跡があったとの事でした。
コツコツ持ち込んだ荷物の中は、たいしたものは入っていなかったのが幸いでしたが、着替えはしていたようで、洋服は何枚か無くなっていました。
警察の方の話では、その洋服などをリサイクルショップで買い取って貰ってお金に換えたのではないかとういう話でした。
シャワーやトイレなどはしっかり使っていたようで、箱の中にあったアウトドア道具も出して、料理をしたようでした。
天井には若干ですが、すすの焦げ後があったりしたそうです。
結局、不動産会社さんが融通を効かせてくれ、違う階の部屋に変更をしてくれましたが、なんとも気味が悪いので半年経たずに違う街の部屋に引越しました。
そこで引っ越す際に、不動産会社さんの営業マンから聴いた話では、どうやらそのアパート自体が、どこかで何かの情報公開でもされているようで、このような出来事が1度・2度ではなく、結構頻繁にあるという事でした。
謎の侵入者と私が鉢合わせにならなかったのが幸いでしたが、ちょっと不気味な話でした。
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