恐怖の泉

実話系・怖い話「隣には誰もいない」

私の住む場所は大変な田舎で、街灯が無い地域もざらでした。
わけあって車で片道30分の保育園に子供を通わせていましたが、私が通っていたその道はちょっとした霊感がある人なら「絶対に夜なんて通れない」というくらい、怖い道なのだそうです。

私自身は霊感がないため「へー」くらいにしか思っておらず、別のルートもありましたが片道50分も掛かってしまうので、そのルートを毎日通っていました。
1日中、あまり車の通りが少ない道でしたので、毎回車を飛ばして快適に通ってはいました。

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ところがある日、まだ日も暮れていない夕暮れの日でした。
娘と息子を後部座席のベビーシートに座らせ、いつものように帰りの道を走っていますと、3歳になったばかりの娘が突然

「お母さんの横に座ってた人、どこに行ったの?」

と聞いてきました。

助手席はなにか事故を起こしたら一番被害が大きいと聞いていたので、私の車の助手席にはなるべく誰も乗せていない座席となっています。
その時も当然、助手席には誰もいるはずもありませんでした。

「え?」と思わず聞き返すと、娘は言ってはいけなかったかな?といった顔をしています。
変に怖がらせてはよくないと思い、落ち着いて
「ごめんね、お母さん、今運転しててぼーっとしてたから気づかなかったわ。誰か隣にいたの?」
と聞いてみると
「うん、隣に白い服を着た人が座ってた。髪は、おかっぱだったよ」
と言うので、思わずゾっとしました。

よくない噂は聞いていても、実際に見た事はなかったので安心していたのですが、まさか娘が見るとは…。

それ以降もその道を通ると、娘が
「目が見てるね」
とぼそっと呟くので、通りたくない道になりました。

朝は時間の都合上通りますが、帰りは仕方なく遠回りして帰っています。
ただ、道は変えても助手席にはあえて荷物をたくさん置いてます…。

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