恐怖の泉

子供向け怖い話「白い蛇」

私の実家は古民家で、祖父母、両親、弟の6人で生活していました。
そこで体験した、忘れられない出来事があります。

古来より「白い蛇」は、神の使いや守り神として各地で伝わっている存在です。
田舎ですから蛇そのものは珍しくもありませんでしたが、真っ白の個体は見たという話もあまり聞きません。
それが不定期ではありますが、私の実家に姿を現していたのです。

白い蛇を見る時は決まって、玄関から入ってきて階段を伝って2階へ登り、いつの間にか消えてしまいます。
私が初めて目にしたのは、小学1年生の時だったと記憶しています。

一緒に目撃した祖母は
「見てごらん、あれが守り神の白い蛇だよ。」
と言って眺めていました。
ところが私は、ただでさえ怖い蛇が真っ白で赤い目をしている事に、言いようのない恐怖を感じていました。

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白い蛇を見てから1ヶ月ほどすると、祖母が心臓発作で突然亡くなりました。
この時はただの偶然だと思ったのですが、それから数年後。今度は私と祖父が白い蛇を目撃します。
祖父は蛇を見て手を合わせていましたが、私にとってはやはり気味の悪い印象しかありません。
そしてあろうことか、祖父も白い蛇を見てから1ヶ月後に心臓発作で亡くなったのです。

私の中では、白い蛇は神様どころか不幸をもたらす存在だ、という思いが強くなっていきました。実際に祖父母は亡くなっているのですから。
ですが確証も無いので、白い蛇を悪く言うと周囲の人から理解は得られないだろうと予想できます。

次に蛇を見たのは、私が高校生で半ば大人でした。
父と居る時に目撃したのですが、不満があった私はもう恐怖よりも復讐のような気持ちが強くなっていました。
蛇を追いかけて
「早く出ていけ!2度と家に来るな!」
と罵声を浴びせます。
父からは
「なんて罰当たりな事をしているんだ!」
と怒られましたが…。
その父も、1ヶ月後に心臓発作で亡くなってしまいました。
持病も無く、健康そのものだったあの父がです。

これで私の疑惑は確信へと変わりました。
白い蛇だからといって、無条件で良い存在であるとは限らないのです。
母はこの話をなかなか信じてくれませんでしたが、心臓発作で家族が亡くなっている事実は変わりません。
とりあえず注意はしようという事で、話はまとまりました。

その後、母は白い蛇を見る事はありませんでしたが、やはり心臓発作で亡くなりました。
完全に白い蛇を疑っていた私は、母の死もヤツのせいだと思って世話になっている住職へ相談します。
次に白い蛇を見かけたら、殺してやろうと考えている、と。
ですが家族の状況を知っていた住職は

「蛇の色が白だろうが何だろうが、無駄な殺生をしてはならん。
そもそも、白い蛇と家族の不幸が因果関係にあるのか、判断は難しい。
家は一度、お祓いをして様子を見てはどうか。」

そう提案してきたので、私はとりあえず従う事にしました。

それからも私は実家に住んでいますが、白い蛇はずっと姿を見せません。
次に姿を現わしたなら…。

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