恐怖の泉

心霊スポット「東尋坊」

東尋坊(とうじんぼう)は福井県の北西に位置する崖です。
非常に貴重な地形を有し、観光名所として有名ではありますが…自殺の名所としての一面もある場所なのです。

これほどの規模で特殊な形状の断崖絶壁は、世界でも3箇所しかないといわれる東尋坊。国の天然記念物・名勝にも指定され、海面から25mもの高さから見下ろす景色はまさに絶景です。
落ちたらひとたまりもないなと思わせる、まるで吸い込まれるかのような風景。そして実際にこの東尋坊を人生最後の地とする方が、後を絶たちません。
東尋坊周辺には自殺を思い止まらせる看板や、悩みを相談できるよう配慮された電話ボックスなどが設置されています。

実際に東尋坊近辺では「心に響くおろしもち」という茶屋を営む茂幸雄さんを中心に、NPO法人「心に響く文集・編集局」の活躍によって、500人を超える自殺志願者を保護してきたそうです。

自然の雄大さを感じられる場所は、何か不思議な力があるのかもしれませんね。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。合掌。

【東尋坊の場所】

東尋坊の怖い話

私の知人は自殺の名所巡りという、一風変わった趣味を持っていました。
何でも、自殺の名所には自然豊かな風光明媚の場所が多いらしく、そんな非日常的な場所で心を落ち着かせながら
「自殺する人間はどういう気持ちだったのだろう…」
と思いめぐらせると、不思議と心が落ち着くのだと言うのです。

そんな彼が、偶然にも仕事が連休になったので少し遠出をして、断崖絶壁から身を投げる人が後を絶たない事で有名な「東尋坊」へ行きました。
世界的にも極めて珍しいとされる特殊な形状をした断崖絶壁の風景に感嘆した後、まずは周辺のスポットを観光がてら散歩してみたらしいのです。

彼が言うには
「振り返ってみると、周辺を散歩していた時から、誰かがずっとついて来ているような違和感があった。」
らしいのですが、そんなのは気のせいだろうと散策を続けていると、頭の痛みを感じます。
頭痛はわずかな時間でどんどん酷くなり、これは不味いと思った彼は急遽予定を変更し、帰途を急ぎました。

車を運転している最中もガンガンと頭が痛い上に、何とも抵抗しがたい眠気が襲ってくるので、道の駅やらコンビニやらで小休止を数回挟みます。
ですが休憩中に後部座席で人の気配を感じては目を覚まして、全く気が休まらない始末。
流石に怖くなってきて、休憩もそこそこにして強引に運転を続けやっとの思いで家に到着しました。
辺りはすっかり夜になっていて、部屋の鍵を開けて電気をつけると、ほんの一瞬だけ人の姿が目の前に現れて消えたのだそうです。

「ギャーッ!」
思わず叫び声を上げ、逃げ出そうとも思いましたが、あまりにも強い眠気と頭痛でソファーに横になると、いつの間にか眠ってしまいました。

寝ている時は息苦しさが付きまとい、安眠出来ず何度も目を覚まします。
さらに恐ろしい事に、「うぅ…」という苦しそうな呻き声がどこからか聞こえてくるようになり、もう自分はダメかもしれないな、という考えも頭を過ぎったそうです。

何とかやっとの思いで一晩をやり過ごした彼は、次の日の朝一番で東尋坊へ向かい、断崖絶壁のふもとに供養もかねて花を手向けました。
その後は体の不調も治まり、異変も無く生活出来ているようです。
ですがこれ以降、自殺の名所へ軽い気持ちで近づくのは控えるようになったと言っていました。

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